バッタ被害が拡大傾向/病害虫対策協
「防除の徹底を」
下地の来間島で、バッタの一種タイワンツチイナゴが大量発生し、サトウキビの葉を食害している。宮古地区病害虫対策協議会では農家に自主防除の徹底を呼び掛け。「サトウキビの減産がないよう防除に努めてほしい」と促している。
来間島では、昨年夏からバッタ被害が島全域で発生している。行政機関が今年6月に行った一斉防除で発生密度を抑え込んだが、8月に入ると再び成虫の発生が相次ぎ、キビの葉を食害する被害が出ている。
発生が多いところではキビ畑周辺を歩いただけで無数のバッタが飛び跳ねる。密度の違いはあるが、島全域でバッタの発生と葉の食害が確認されている。
4日午前、農作業をしていた男性は「バッタの発生が止まらない。防除も一部だけではなく、島全体でやらないとだめだと思う」と話し、行政による一斉防除を期待する。「今は植えたばかりのキビの葉が食べられるのが心配だ。何とかしてほしい」と話した。
県病害虫防除技術センターによると、来間島で確認されているバッタの種類はほとんどがタイワンツチイナゴ。一部ヒゲマダライナゴもいるという。
3日の病害虫対策協議会の定例会では、農家へ自主防除を促していく方針を確認。自治会へチラシを配布して周知する。島内巡回調査も継続して実施する。
防除農薬としては「スミチオン乳剤」を挙げ、散布はバッタの活動が鈍い早朝の時間帯に行うことが効果的だと紹介している。
タイワンツチイナゴは年1回の発生で、幼虫は5~6月に、成虫は6~8月にかけて出現する。