県防災訓練に米軍機使用/CH53大型輸送ヘリ
多良間へ医療チーム移送で/県が要請「連携重要」
6日に宮古圏域で予定されている県総合防災訓練で、多良間島への医療チーム派遣に米軍用機の使用を予定していることが4日、分かった。県が行う防災訓練で米軍用機が用いられるのは今回が初めて。使用する航空機は米海兵隊が主に輸送機として使用するCH53大型ヘリで、同型の類型機材は2004年8月13日に宜野湾市の沖縄国際大学で発生した米ヘリ墜落事故と同型の機種にあたる。
県によれば、2012年度まで、県総合防災訓練の米軍の参加は専ら県の情報要請に伴う通信でのやりとりにとどまっていた。13年度に与那原町で行った総合訓練には在沖米軍も直接参加したが、同訓練では民間の「ドクターヘリ」を使用してのキャンプ・フォスター(沖縄本島中部)内の在沖米海軍病院に急患搬送を想定した輸送訓練を行った。
県総合防災訓練で米軍機が使用されるのは、これまでに例がなく、今回の訓練では、琉球大学付属病院の「リーマット」(災害時に活動する医療チーム)の医師・看護師6人を米軍普天間飛行場から搭乗させ多良間島まで移送する。
県は在沖米軍の参加と米軍機使用について、「大規模災害を想定しての訓練であるため、県内にある限られた資源や人材を活用し、いかに迅速に救命活動を行うかも訓練のポイントとなる。そのため、米軍との協力や連携も訓練の重要な要素となる」と説明した。
米軍への訓練参加要請は県が直接行っており、3~6日の日程で行われている陸・海・空自衛隊の「離島統合防災訓練」と在沖米軍との直接的な関係はない。
ただ、宮古圏域で行われる県防災訓練には、自衛隊も参加することが決まっていることから、訓練が行われる6日には下地島空港を駐機場として自衛隊所有のCH47型ヘリ4機とUH60ヘリ1機を待機させ同訓練で使用する予定だ。