地震、津波被害に実践対応/県総合防災訓練
86団体、2000人が参加/関係機関が救助で連携
2014年度県総合防災訓練が6日、宮古島市平良下崎地区の下崎ふ頭を主会場に開催された。防災関連機関や市民ら86団体から約2000人が参加。大規模地震と大津波が発生したとの想定で、倒壊建物や事故車両からの救助や傷病者のヘリ輸送、海へ流された人の捜索と救出など、関係機関が連携して被害に対する実践的な訓練を行った。
同訓練は、災害発生時における関係機関の連携や対応を検証するとともに、広く県民に防災意識の高揚を図ることなどが目的。今回は、宮古島北方沖を震源とする震度6の地震が発生し、宮古島に津波が襲来したとの想定で、下崎ふ頭を主会場、多良間村をサブ会場として実施された。
地震発生の報告を受け、主会場の下崎ふ頭では市災害対策本部長を務める下地敏彦市長が対策本部の設置を宣言し、各機関へ情報収集などを要請。県警ヘリや自衛隊機が上空から状況確認を行う一方で、パトカーなどで市民に避難を呼び掛けた。
バケツリレーや消火器による消火訓練、自衛隊や消防によるがれき撤去作業や倒壊建物、事故車両からの人員救出、海上保安庁などによる海上、海中での捜索や漂流者のヘリでのつり上げ救出、自衛隊ヘリによる伊良部、多良間からの傷病者輸送など、合計で約50項目の訓練を行った。
訓練終了後、仲井真弘多知事は「今回の第一の目的は、離島における防災対策の迅速な対応。最終的には大規模な災害に強い沖縄県づくりが私たちの目的。今回、たくさんの人に参加してもらったことに心から感謝したい」とあいさつ。下地市長は「宮古島は過去に明和の大津波で甚大な被害を受けた歴史がある。沖縄本島から遠く、隣接する市町村もない市にとって、大規模災害が発生した祭の情報伝達、医療、輸送、ライフラインの復旧は重大な課題。今回の訓練は関係機関と連携が図れ、大変良かったと思う」と語った。
訓練を視察した自衛隊統合幕僚長の岩﨑茂空将は「とても良い訓練になっている。自衛隊は要請に基づいて展開し、捜索、救助に当たるが、自衛隊だけでは不十分。現地の警察や消防んどと一体となって取り組む必要がある」との考えを示した。