多良間では大型ヘリに誘導/県総合防災訓練
村民参加で避難救護
【多良間】宮古圏域で県総合防災訓練が行われた6日、多良間村でも宮古島の北方沖を震源とする強い地震が起きたのを想定し、村民が参加して大がかりな訓練が行われた。
災害対策本部が村役場内に設置され、住民の避難救護のため飛来した航空機までの誘導などの訓練を展開した。この日は在沖米海兵隊所属のCH53大型ヘリが琉球大学付属病院の医療チームを移送し救護する訓練を予定していたが、沖縄本島地方が大雨による悪天候に見舞われたため、急きょ訓練の内容を変更。宮古島から自衛隊所有の大型ヘリが飛来し、村内の髙穴ヘリポートへ住民を退去避難する訓練などを行った。
災害本部長を務めた伊良皆光夫村長は「災害はいつ起きてもおかしくはない。普段からの訓練が大事で、このような総合訓練はとても重要だ。多良間村は年に1度、防災訓練を行っているが、このような大がかりで全体的な訓練は初めて。訓練を通して災害が起きた時に多良間島が孤立しないようにするためにも、宮古島や沖縄本島と連携した訓練はこれからも必要だ」と述べた。
また、伊良皆村長は当初、訓練で米軍ヘリが飛来する予定だったことに対し、「今回の訓練で米軍機が使用される予定だったのは医療チーム派遣と、災害を受けた村民輸送の手段だと聞いている。多良間にこれら軍事施設を作るなどの話はない」と明言した。
この日、訓練に参加した陸上自衛隊西部方面総監部の金田祐一1等陸佐は「伊豆大島の災害時にはいろんな問題点があった。消防、自治体、関係機関と連携はとても重要。今日の訓練は段取りも完璧で上出来だった」と話した。
訓練に参加した村内の男性会社員(36)は「参加できてよかった。最初は軍用ヘリの大きさにびっくりしたが、災害時には無くてはならないものだと感じた」と話した。