市の持ち株、沖縄製粉に無償譲渡/コーラル社臨時取締役会
全会一致で可決
宮古島市が出資する第3セクターのコーラル・ベジタブル社(本社・下地川満、社長・下地敏彦市長)の臨時取締役会が12日、同社で開かれ、宮古島市が保有する同社株(900株)を沖縄製粉(本社・那覇市、竹内一郎社長)に無償譲渡することを全会一致で可決した。同取締役会は9日に開かれたが、取締役のうち1人が体調不良を理由に退席したため、臨時会の再開を12日に見送っていた。
取締役会は非公開で開かれた。会議終了後、会見した下地市長によれば、同社株1330株のうち、市が保有する900株(67・7%)を沖縄製粉に無償譲渡する案は全会一致で承認され可決した。これにより、同社の筆頭株主は宮古島市から沖縄製粉となるため、実質的なコーラル社の経営は今後、沖縄製粉が担うことになる。株主への全体説明会は16日を予定している。
下地市長は「沖縄製粉と正式に契約した後で、株主には、これまでの経緯を含めて説明会を開く。正式契約を急ぐよう、沖縄製粉にはお願いしてある」と説明した。
コーラル社が経営不振に陥った要因について下地市長は「アロエベラそのものの商品価値の認知は受けていたが、なかなか販路確保ができなかったことが最大の要因だったと分析している」と述べ、「沖縄製粉の民間活力による販路形成に期待している」と話した。
今後もアロエベラ製品の生産は維持し、その他マンゴーなどの宮古島産農産物を活用した加工品製造を行うことを株式無償譲渡の条件に据えているという。また、現在、同社で勤務する社員の継続雇用も譲渡の条件に含まれている。
コーラル社の残り430株はJA、OAS航空、大栄興産、多良川の4社が企業株主として保有するほか、元社員など7人の個人株主がいるという。