新城アラフ遺跡 国指定遺跡目指す/市議会一般質問
範囲確認調査を実施
市教委 「先史時代を代表」
市教育委員会は18日、城辺新城海岸一帯に包蔵されているアラフ遺跡について、今後10年以内をめどに遺跡の範囲を確定し、国指定遺跡に向けて取り組んでいく方針を示した。開会中の宮古島市議会(真栄城徳彦議長)9月定例会一般質問で、西里芳明氏の質問に垣花徳亮生涯学習部長が明らかにした。
アラフ遺跡は「宮古の先史時代を代表する遺跡」で、周知の埋蔵文化財の包蔵地に認定されており、文化財保護法による保護の対象となっている。
同遺跡の発掘調査については、沖縄国際大学の調査メンバーが2000年度~年度まで実施した。
12年度からは市が文化庁の補助事業を活用し、遺跡の範囲を確定するための範囲確認調査を行っている。
沖国大の調査メンバーは調査報告で、アラフ遺跡から出土した遺構、遺物の分析で先島諸島の人々が集石遺構を調理施設として使用し、貝斧を木工道具として利用していたと推測。また、遺跡の一帯は居住環境として適した入江となっており、当時の人たちは前面に広がる海に大きく依存していたことがうかがえるとしている。
これまでの調査では、集石遺構や竪穴遺構などの生活の跡や、シャコガイ製貝斧、サメ歯有孔製品、イモガイ製ビーズなど多くの道具類が出土している。
そのほか、複数の時期差をもった生活面が検出されるなど、無土器時代の宮古島を考える上で欠かすことのできない成果を上げている。