下地島を野菜栽培の拠点に/市長計画
市制5周年でインタビュー
下地敏彦市長は下地島空港周辺の残地について、農業振興地域に設定し野菜の有機栽培を推進していく計画を示した。公共投資については「基礎的な社会基盤は相当整備されてきた」と述べ、今後は環境に配慮した事業を取り入れ、環境モデル都市を意識した公共投資にシフトしていく考えを示した。10月1日の市制5周年を前にマスコミのインタビューに応えた。
下地市長は、「下地島空港に貨物便を就航させ、有機栽培した野菜を全国に直送する。有機栽培のブランド化を図り、他産地との差別化を図る」と述べ、県と話を進めている段階だと強調した。
離島農業の振興について「島のキャパシティーを考えると、常に増産増産という形ではいけない。畑地面積は制約されており、その中でより品質の高い農作物をつくり差別化を図ることが重要だ」と語った。
サトウキビは「年内操業を早急に定着させ、新たな作物の導入で農家所得の向上が図れる」と指摘。畜産については「子牛生産だけでなく、肥育牛の生産にも力を入れ、質や味の良い宮古牛のブランド化を目指す」とし、10月17日に初めて開催する宮古牛まつりの成功に期待を込めた。
公共投資については、「今までは道路や港をつくることや農地整備を図るというのが主体だった。総体として見た場合、基礎的な社会基盤は相当整備されてきた。今後はその分野での公共投資は少なくなっていく」と指摘。その上で「環境に配慮した事業がますます増えていく。同じ公共事業でも質が変わっていくだろう。快適な生活空間をつくるということでやっていきたい」と語った。
「島の環境美化については、市民が自発的にしなければいけない分野。道路清掃、生け垣の清掃、ポイ捨てをしないという身近な問題から始めて島をきれいにする。誰がきてもきれいな島、住んでみたいと思えるような島にしていきたい」と述べ、市民に環境に優しい市づくりに協力をもとめた。
トライアスロン大会やビーチバレー大会の継続に加え、海中公園のオープンやフィッシング大会を計画するなど、海を中心としたさまざなイベントで観光振興を図ると強調。「陸上や砂浜、海上とバランス良くいろいろな形で楽しめる島にしたい。結果、観光増につながる」と話した。
きょう合併から5年
宮古島市はきょう1日午後4時から、マティダ市民劇場で市制施行5周年記念式典を開催する。合併から5年の節目を迎えた宮古島市のさらなる発展を祈願する。
式典では、国や県、市などから関係者を招き、市政発展に貢献した19個人、団体に感謝状を贈るほか、宮古島市を内外にPRしイメージアップを図る「宮古島大使」8人に認証状を交付する。
引き続き午後5時分からは、ホテルアトールエメラルド宮古島で祝賀会を開催する。