盛大にミャークヅツ/池間、佐良浜、西原
男たちがクイチャー/豊漁、豊作、子孫繁栄願い
平良池間、伊良部佐良浜、平良西原の3地区で20日、伝統の「ミャークヅツ」が始まった。池間と佐良浜では男たちが豪快なクイチャーを踊って向こう1年の豊作と豊漁、子孫繁栄を祈願、汗だくになって踊り続けた。きょう21日は西原でパレードやクイチャーが行われる。
ミャークヅツは、旧暦8月か9月の最初の甲午の日に行われる池間、佐良
浜、西原の最大行事。池間民族の元島・池間島と、同島から分村した佐良浜、西原の住民がクイチャーを中心とする地域特有の祭りを開いて地域の繁栄を祈る。
池間島のミャークヅツは海辺にある水浜広場で行われた。午後4時すぎから真謝、上げ桝、前ぬ屋、前里の各ムトゥ(元家)の男たちが円を作り、神歌で広場を清めていた女性と二重の輪をつくっ
て踊った。
青の法被姿で参加した男たちは頭にタオルを巻くスタイルで踊った。強い西日を浴び、全身汗だくになりながら伝統のクイチャーを踊り続け、「ヒヤサッサ!」の掛け声を島に響かせていた。
真謝ムトゥの仲間惇さん(83)は、長男の幸一さん(56)と、今年数え歳で新入生の次男八十三(やとみ)さん(53)の親子3人でクイチャーを踊った。
惇さんは「次男が入会して親子3人で踊ることができて最高だ。息子は2人ともうまく踊っていた」と感無量の様子。新入生の八十三さんは「最高の気分。これからも島の発展のために尽くす。真謝ムトゥの団結力を高めたい」と話し、充実感たっぷりの表情で吹き出す汗を拭った。
伊良部佐良浜ミャークヅツは旧池間村(現池間添)と旧前里村(現前里添)で行われ、1年間の豊漁豊作を願いクイチャーを踊った。
池間添ミャークヅツにはミーウヤと呼ばれる今年数え年で47歳となる「ミャークヅツ新入生」18人が、前里添では数え年で50歳となるミーウヤ20人が参加。現在は島外、県外に住んでいるが、この日のために帰省している人も多くいた。
ツカサンマがそれぞれの拝所で祈りをささげた後、拝所前の広場でツカサンマら女性を先頭に円を作ったミーウヤたちは「ヒヤサッサ」の掛け声に合わせ、跳び上がって手をたたくなどしながら力強くクイチャーを踊った。
池間添ミーウヤで現在は神奈川県で暮らす長濱繁人さんは「新入生になるのは一生に一度だけ。しきたりを学ぶ機会なので参加できて良かった」。前里添ミーウヤで東京在住の佐久本勇次さんは「やっとこの年になれた。先輩から受け継いできている行事なので、これからも受け継いでいってほしいと思う」と語った。