飼養頭数減に危機感/宮古地区肉用牛
増頭目指し勉強会
宮古地区肉用牛増頭キャラバン(勉強会)が22日、JAおきなわ宮古家畜市場で行われた。同キャラバンは国、県、JAなど関係団体が構成する組織で、県内の肉用牛飼養頭数が減少していることへの危機感から県内各地で実施した。
県農林水産部畜産課の池村薫副参事は「昨年の12月、県内の飼養頭数は7万頭を切った。これは1995(平成7)年の頭数まで戻った。きょうのキャラバンは増頭が目的で実施した」と述べた。
優良繁殖雌牛増頭を目的としたキャラバンでは、沖縄総合事務局生産振興課畜産振興室の前田博室長が「優良繁殖めす牛を一戸一頭増頭しよう」と題して講話した。
前田室長は鹿児島県との雌牛の分娩(ぶんべん)間隔は宮古島では鹿児島県より13・3日長く、全国平均でも2・4日の差があると数値で示した。
宮古島での分娩間隔が鹿児島県並みになれば、1産で13日短縮され、年間で275頭多く産むことが可能になるなどと説明した。
このほか、増頭のために▽初産月齢の早期化▽子牛事故率低減▽削蹄の実施▽草地の更新―を挙げた。
キャラバンの冒頭、宮古和牛改良組合の砂川榮市組合長は「畜産農家も昨年7月の肉用牛増産大会で繁殖牛の2割増頭を目標に頑張っている」とあいさつした。
同キャラバンでは新草種の紹介および肥培管理や農業資金、各地区の現状と今後の課題などについての講話や説明が行われた。