伊良部大橋活用がカギ
宮古経済界 懇談会で意見交換
沖縄振興開発金融公庫と宮古の経済界の代表らが意見交換する宮古経済ワイドー懇談会が30日、市内ホテルで開かれた。出席者の多くが伊良部大橋開通後の観光振興にスポットを当てて意見を述べた。沖縄公庫の譜久山當則理事長は「伊良部島に観光客を足止めする施設、サービス、商品が必要になる」と述べ、大橋開通効果に伴う一層の経済振興に期待を寄せた。
公庫から譜久山理事長のほか照屋健理事、企画調査部の稲福正美部長、融資第二部の具志堅忠昭部長、宮古支店の中山道哉支店長らが出席。宮古からは商工会議所や行政機関および各界の代表が参加した。
冒頭、譜久山理事長が経済状況を報告。「宮古はサトウキビ中心の農業のほか観光も伸びている。建設業も地下ダム事業や市の大型事業で活況だ。伊良部大橋は観光面、農業面での発展が見込まれる」と述べた。
この後、中山支店長が宮古支店の融資実績を報告した。14年度上期は前年同期と比べて全体で14・1%伸びていると強調。製造業やサービス業が堅調に伸びているデータを示した。
意見交換では、伊良部大橋の活用をめぐる発言が相次いだ。伊良部大橋が「大きな観光資源になる」という点では一致したが、「観光客が伊良部島を素通りしないかどうか心配だ。いろいろな施設が必要になるのではないか」などと一部で懸念する声が上がった。
譜久山理事長は、伊良部大橋の開通はマイナス面の要素も含むと指摘。交通網の整備で人や物、お金がマーケットの大きい方に吸い込まれてしまうストロー効果を挙げ、伊良部島で「人を呼び込む商品をつくっていかないと、それぞれが宮古本島を向いてしまう可能性がある」と述べ、観光客を足止めできる施設、サービスの充実を訴えた。