伊波洋一氏が出馬表明/県知事選挙
普天間の県外移設前面に
【那覇支社】11月28日投開票の県知事選挙で、宜野湾市長の伊波洋一氏(58)=社民、共産、社大推薦=が2日、宜野湾市内のホテルで記者会見を開き、正式に出馬表明した。伊波氏は立候補を決意した理由について「普天間基地の県内移設を断念させて、閉鎖・返還を実現するため」と強調。政策面では沖縄の自立に向けて脱基地を進め、世界に開かれた沖縄を創っていく方向を示した。
日米両政府の合意に盛り込まれた普天間の名護市辺野古移設には反対を表明。海兵航空部隊と海兵隊の移設先は、米国内に求めるとした。
県政奪還を目指す伊波氏は、1998年以来の保守県政を「県内移設にほんろうされ続けた、失われた12年」と批判。その上で、普天間問題に終止符を打ち、自立発展する新しい沖縄への挑戦をスタートさせる決意を示した。
脱基地経済に関しては「東アジアを視野に入れた自立と発展の基礎を創っていく。そのためには、沖縄の価値と優位性を再発見することが大切」と述べた。
政策では教育、医療福祉や環境の課題、地域主権の実現に取り組んでいく考えも示した。
社民の照屋寛徳衆院議員や共産の赤嶺政賢衆院議員、社大の糸数慶子参院議員があいさつし、当選に向け結束を訴えた。
最後は全員で「ガンバロウ三唱」の気勢を上げた。
マスコミとの質疑応答で伊波氏は、民主党との関係について「県連に支援をお願いしたい。現在、日程を調整中。民主党の多くの国会議員から、全力で応援するとメッセージが届いている」と述べた。
伊波 洋一(いは・よういち) 1952(昭和27)年1月4日生まれ。宜野湾市嘉数出身。74年琉球大理工学部卒。同年宜野湾市役所入り。96~03年まで県議会議員。03年4月宜野湾市長初当選。