「離島振興に力注ぐ」
公約実現に決意新た/翁長氏、当選から一夜明け
【那覇支社】16日投開票の第12回県知事選挙で、36万820票を得票し、次点現職の仲井真弘多氏に9万9744票の差をつけて初当選を果たした翁長雄志氏(64)。当選から一夜明けの17日、那覇市久茂地の選対本部事務所でマスコミ各社のインタビューに応じ、今選挙で訴えた米軍普天間飛行場の辺野古移設拒否について公約実現の決意を新たにし、県政での具体的な取り組みなどを話した。
「オール沖縄」を合い言葉に臨んだこの知事選を振り返り翁長氏は「初めて県民の心を一つにするという意味で、試行錯誤も多かったが、結果的に全てをクリアできた。むしろ県民は、こういう形を待っていたのだと思う」と述べ、党利党略にとらわれない政治スタンスが選挙に奏功したことなどを説明した。
また、翁長氏は「仲井真知事が振興策と辺野古埋め立てをリンクしたかのような誤ったメッセージを全国に発信してしまい、金目で動くというウチナーンチュ(沖縄県民)のプライドを傷付けたのだと思う」と話し、その反動が、これまで自らが関わった選挙以上の大多数の支持を得られたという分析を冷静に行えたことを説明した。
翁長氏は「一夜明けの思いは、最大限の身震いする気持ちで責任感を持って立ち向かっていかねばならないという気持ちを新たにした」と話した。
辺野古阻止への具体策については、「まず、国が行っている手続きに法律的な瑕疵(かし)がないのかをチェックする」と述べ、知事権限が用いられるものについては行使することを明言した。
宮古の振興策について翁長氏は「那覇市長時代が長く、足を運ぶ機会がなかったが、小まめに訪問し、市民との直接対話で課題を洗い出し、その解決を積極的に行っていく」と述べ、タウンミーティングを何回も行うことを強調。
その上で、農水産業への支援はこれまで以上に行うことを述べ、下地島空港の利活用は、現在、県が進めている計画にプラスして、那覇空港の国際物流拠点構想に伴う離島地域での拠点空港として活用することや、「国際化に伴う港湾の大型バース建設は宮古、八重山でも必要だ。ぜひ実現させたい」と述べた。
また、翁長氏は「宮古病院は重要な島の基幹病院だ。医師不足などの話を聞いているので、自ら医療人材の確保に向けて、琉球大との連携などに積極的に動きたい」と話し、宮古、八重山の教育、福祉などのソフト事業を含む離島振興にも力を注いでいくことなどに意欲を見せた。