子牛、過去最高57万円/11月期肉用牛競り
キロ単価も2291円高値/一方で農家マナーが欠落
JAおきなわ宮古家畜市場の11月期肉用牛競りが19日開かれ、子牛1頭平均価格に過去最高の56万9903円が付いた。1頭当たりの最高額は80万円。平均キロ単価も2291円の高値だった。成牛を含む総販売額は2億1500万円の大商いで、市場は終日活気付いた。一方で子牛に番号札を張り付けないなど農家のマナーが著しく低下。ある購買者は「牛は最高だが農家のマナーは最低だ」と苦言を呈している。
今月競りには前年同月に比べて15頭少ない350頭が上場され、うち349頭が競り落とされた。
子牛1頭平均価格は、県内8市場の中でも最高の価格。性別1頭平均価格は去勢が59万7724円と60万円に迫る勢いで、雌も53万5879円と50万円を超える値を付けた。平均キロ単価は去勢2327円、雌2243円といずれも過去に例がない高値だった。
成牛を含む上場頭数は401頭。398頭が競り落とされ、1頭平均価格は53万9039円だった。平均キロ単価は1951円。
高値の要因は全国的に子牛が不足していること。全国各地で価格が上昇しており、県内の価格も同様に押し上げられている。
ただ、高値取引の一方で懸念されるのが上場頭数の減少だ。今年は生産農家の高齢化などに伴って毎月のように前年同月の上場頭数を下回っている。
また、今月競りで購買者の多くが子牛を上場する農家のマナーの悪さを指摘した。子牛に番号札を張り付けなかったり、子牛を指定の場所につなぎ留めたりしないため、購買者が十分に下見をできないという。
こういったマナーの悪さは県内市場の中でも最低だという。購買者の一人は「自分の牛を良くして売ろうとする姿勢が全然見られない。下見もまともにできない」と厳しい口調でマナーの悪さを指摘した。
JA宮古地区畜産振興センターによると、このような農家のマナーの低下は昨年から相次いでいた。これを受けて同センターは今年1月に記者会見を開いてマナーの向上を訴えた。すると翌月2月からマナーは少しずつ改善されていた。
しかし、時間の経過とともに再びマナーに反する行為が続出した。同センターは「価格の上昇とともにずるずる悪くなった。頭数も少なく、マナーも悪いとなれば、われわれはいったい何を購買者にアピールすれば良いのか」と嘆く。その上で「農家は自分の牛を大切にしてしっかりとマナーを守ってほしい」と農家に意識の向上を促した。