キビ増産基金確保へ一丸/14年度運動方針説明会
交付金増額要請へ
2014年度サトウキビ運動方針に関する説明会が20日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれた。生産者ら約120人が参加して年末年始に実施する運動方針を確認。今年度で終期となるサトウキビ増産基金に代わる追加予算対策および生産者への交付金増額を要請し、再生産可能な支援の確保に全力で取り組む。今回の交渉で決める交付金は15-16年産に適用。今期14-15年産の交付金は1㌧当たり1万6420円。
説明会は県さとうきび対策本部と県農業協同組合中央会が開いた。県内外のサトウキビをめぐる情勢を報告した上で価格・政策運動方針の詳細を説明した。
今運動では、大詰めを迎えている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への対応や現行糖価調整制度の安定運用、適切な農家手取額の確保などを軸に据える。
具体的には、14年度が終期のサトウキビ増産基金関連では「増産に向けた取り組みは途上」とし、「次年度以降も継続的かつきめ細かな支援対策が不可欠」などと主張。基金の追加対策および必要な予算額の確保を求めて運動を展開する。
サトウキビ生産に対して支払われる国の交付金関係では、生産コストが上昇していることを主張して増額を求めていく。「再生産に取り組める適正な農家手取額の確保」を訴える。
TPP関連では「関税の撤廃によってサトウキビや畜産業が壊滅的な影響を受けることは必至」として米や麦、牛・豚肉、甘味資源作物など重要5品目を守り抜くよう要請する。
そのほか生産振興総合対策として▽土地基盤整備等の促進▽農業機械等リース支援事業の予算確保▽農作業受委託体制の強化▽キビ関連試験研究の充実・強化-などを要請する。
質疑で生産者らは「農薬や肥料、燃料費が上がって生産コストは上昇する一方にある」と指摘し、このような実情を政府にしっかり伝えるよう求めた。これに対し対策本部は「コスト上昇額を具体的に出し、客観的な数字を基に交渉を進めていきたい」と答えた。
また、TPP交渉で重要5品目が守れなかった場合の対応については「これを守らないと農業は壊滅的な影響を受ける。自ら国会で決めたことは守れというスタンスで取り組む。現段階での条件交渉はない」とする強い姿勢を示した。
要請スケジュールは知事選や衆院解散などの影響で見直されているが、例年通り関係団体を網羅した要請団で上京し、要求実現に向けた行動を展開する。