医療機関での携帯使用に指針/総務省
電波の安全性で説明会
医療機関における携帯電話等の使用に関する指針が今年8月に策定されたのを受け、総務省沖縄総合通信事務所は25日、「電波の安全性に関する説明会」を市内のホテルで開催した。
同事務所の成瀬芳之次長が医療機関での携帯電話使用指針の概要と策定までの経緯を説明した。また、これまでの研究では、安全基準を下回る電波では、健康に悪影響を与える証拠は出ていないと説明した。約50人の参加者は、医療機関での携帯電話の使用ルールの指針などを学んだ。
病院など医療機関での携帯電話の使用は、これまで各医療機関で独自に定められていた。
あらたに策定された指針では、各医療機関などが患者や見舞客ら、携帯電話の一般利用者と、医療従事者向けのルール設定のためのガイドラインが示されている。
指針では、一般利用者向けのルールは医用電気機器の上には携帯電話を絶対に置かないことなど、医用電気機器への影響防止と、通話などは診療や患者の静養を妨げるおそれがある場所では控えるべきであるなど、マナーの観点からルールを設定することが望ましいとしている。
また、医療従事者向けには、ICT(情報・伝達技術)を活用した医療業務の迅速で最適な遂行のために、一般利用者向けよりも柔軟なルール設定が重要としている。
具体的には医用電気機器への影響防止に関する教育が十分に行われていることを前提として私用通話以外では、通話を含め原則として使用可能とすることができるとの指針を示した。
今回指針が策定された背景には携帯電話の性能の向上、医療機器の性能の向上。また、携帯電話の生活への浸透や、医療ITC化が推進されていることがある。
また、電磁界情報センター所長で医学博士の大久保千代次氏が、電波の健康問題について講演した。