市の対応を調査/子育て支援新制度
勉強会と現状視察/与党市議団
下地幼、鏡原幼訪れる
次年度4月から実施される国の「子ども・子育て支援新制度」に関する市の対応状況を調査するため26日、市議会与党会派の市議15人らは現在、午後の預かり保育を実施している下地幼稚園(与那覇止校長)と鏡原幼稚園(永松才昜校長)を訪れ、運営状況などを視察した。宮國博教育長、奥原一秀教育部長と幼稚園を担当する教諭らが現状説明を行った。視察に先立ち、同日午前は市児童家庭課からの説明を受け勉強会を催した。
新制度への移行後は現在、「5歳児」の午後の受け皿となっている学童保育が利用できなくなるため、市は公立幼稚園において、すべての園児を対象にした午後の預かり保育を実施する方針を決めている。
同新制度実施にかかる国の財源は、2015年10月1日に予定していた消費税増税額分で賄うことが決まっていた。しかし、増税期日が引き延ばしになったため、国は赤字国債を発行して、次年度からの実施に備える方針に変更した。これによる予算編成の遅れから、市町村に配分する交付額が決定しておらず、県内市町村は「保育料」の決定に至っていない状況だ。
とりわけ沖縄県の場合、公立小学校に幼稚園が付設されていることから、午前は幼稚園、午後は学童という5歳児保育のあり方が一般的で、宮古島市での学童利用割合も43%と高い値だ。
宮古島市の当面の方針として、15年度は公立幼稚園で午後の預かり保育を実施するほか、公立保育所では「5歳児保育」を実施する。
また、法人保育所に対しては5歳児保育の実施と環境整備を要請している。また、「認定こども園(幼保連携型施設)については設置に向け協議し、保育所における5歳児保育を拡充するために法人保育所や法人幼稚園に協力を求めていく。
与党市議団は、これらの市の対応方針の説明を踏まえ、下地、鏡原の2幼稚園を視察した。このうち、下地幼稚園では与那覇校長が現状説明に当たり、①園児31人のうち8人が午後の預かり保育に通っている②午後の預かり保育料は月額5000円と1000円のおやつ代③昼食は弁当、または日額300円の給食のいずれかを選べる④預かり時間は午後6時までだが、4月からは午後6時30分までになる⑤夏休み期間中の預かり保育も実施-などを説明した。
与党議員団の会長を務める平良隆市議は「市民の関心が非常に高く、市当局が苦慮しているということで勉強会を催した。国の予算額が決定していないのは難しい点だが、市が対応策をきちんと立てているので安心した」と述べた。
宮國教育長は「保護者は保育料金を最も心配していると思う。現行実施している幼稚園での預かり保育料とほぼ同じになるよう努め、保護者に負担を掛けないようにしたい。現段階では決定的なことは言えない状況だが、市子ども・子育て支援会議での決定を踏まえて早期に保護者には伝えたい」と説明した。