沖糖、来月19日操業開始/26年ぶり年内
生産量、15万㌧の豊作/地区全体では34万㌧見込む
沖縄製糖宮古工場は28日までに、2014-15年期サトウキビの製糖操業を12月19日に開始することを正式に決めた。年内の開始は26年ぶり。今期の生産量が15万㌧(沖糖管内)に達することや、早熟品種の割合が高くなっていることなどを踏まえて判断した。宮古製糖は近く開く役員会を経て操業日程を決める。伊良部、多良間を含む今期宮古地区全体の生産量は34万㌧が見込まれている。
沖糖によると、今期操業を来月19日に開始し、年内は30日まで。31日から来年1月4日まで休み、5日から再び操業を始める。終了は3月中旬を予定。
これまで年内操業に慎重だった沖糖が方向転換した理由は生産量とサトウキビの熟度だ。生産量15万㌧超えは1991-92年期以来の豊作。春植え、株出し面積の拡大に伴って生産量が押し上げられた。
早熟品種農林27号の普及率が管内で急上昇していることも年内操業を後押しした。今月上旬の成熟試験では平均13・7度、27号は14度を超えているという。
年内操業を正式に決定した沖糖の砂川玄悠専務らは28日午後、市役所平良庁舎に宮古地区農業振興会の会長を務める下地敏彦市長を表敬。今期の操業を年内に始めることを報告した。
砂川専務は「今期は年内操業を実施するための環境が整った」と強調。「春植えや株出しを増やして生産量を確保しようとする市の施策が実った」と述べた。
これまで幾度となく年内操業を要請してきた下地市長は「沖縄製糖の決断に感謝したい。これによって土地の有効利用が進む。これは大きな流れであり年内操業を定着させてほしい」などと期待を込めた。
今期宮古地区全体の生産量は、前期の実績を1万4000㌧ほど上回る34万㌧が見込まれている。
地区別の生産見込み量は▽平良9万5000㌧▽城辺9万㌧▽下地4万500㌧▽上野2万9700㌧▽伊良部6万3100㌧▽多良間2万2000㌧-。
宮古地区のサトウキビは3期連続の豊作に向けて順調に生育している。