中国船領海侵犯に抗議決議/多良間村9月定例会閉会
政府に毅然とした態度求める
多良間村議会(西平幹議長)の9月定例会が、4日閉会した。尖閣諸島海域における中国漁船の領海侵犯に対する抗議や、同海域で海上保安本部の巡視船に衝突した中国漁船の船長を処分保留のまま帰国させた政府対応に抗議する決議などを採択。議案は、一般会計補正予算など8件を可決した。
領海侵犯抗議決議によると、中国漁船は今年の8月中旬、同海域で270隻確認され、そのうち70隻が領海内に侵入した。
村議会はこれに「本県はもとより、わが国の漁業者が安心して操業できないという極めて憂慮すべき看過できない事態」と抗議。中国政府に今後同様な領海侵犯事件を起こさないよう強く求めている。
尖閣諸島の領有権は、同島で(県民が)かつお節工場を営んでいた史実や、中国の外交文書に日本領土と明記されていることなどから、日本に帰属すると見解を示している。
決議文のあて先は中華人民共和国駐日本国特命全権大使と、中華人民共和国国家主席。
中国漁船衝突事件については、船長を処分保留のまま釈放したことに遺憾を表明。
同対応が悪しき前例となり、何も手を下すことなく中国の言いなりになるのではないかと地域住民を不安に陥れていると指摘し、日本政府に圧力や脅迫に屈することなく、毅然(きぜん)とした態度で臨むよう抗議している。
決議文のあて先は内閣総理大臣、外務大臣、国土交通大臣、沖縄及び北方対策担当大臣、農林水産大臣、内閣官房長官、検事総長。