コーラル社株譲渡を正式調印/宮古島市
3月末で沖縄製粉移行/民間活用で再起図る
宮古島市が保有するコーラル・ベジタブル社の株式900株を沖縄製粉(本社・那覇市、竹内一郎社長)に無償譲渡する契約の調印式が15日、市役所平良庁舎市長室で開かれ、下地敏彦市長と竹内社長が契約を締結。3月31日付での譲渡と筆頭株主の交代が正式決定した。竹内社長は「本島、県外、海外に宮古島の良いものを紹介していける会社にしたい」と抱負を語った。
コーラル社は1999年9月、旧下地町が設立した第3セクターで、市町村合併に伴い宮古島市が引き継いだ。苦しい経営が続いていて、累積赤字は1億1300万円に上っている。今回の無償譲渡は、総株式数1330株のうち67・7%を所有する筆頭株主である市が沖縄製粉に全株式を譲り、同社が筆頭株主として経営に参画することで、民間活力を生かした会社経営に移行し再生を図ることが狙い。
調印式で竹内社長と契約書を交わした下地市長は「譲渡の申し入れを快く受けていただきありがたい。3セクという形では販路拡大が弱かった。沖縄製粉の販売網を活用してもらえればうまくいくと思う」と述べるとともに、「宮古の農産物を国内外に販売していくため、これからもしっかりと支援をしていきたい」と語った。
竹内社長は「引き受けたからには百パーセント全力でやらせてもらう。市民の皆さんの協力を得ながら、宮古島の人のために何ができるのか、一生懸命に考えながら取り組んでいきたい」との考えを示し、「現在ある負債を解消し、健全な黒字化に持っていくとともに、沖縄本島や県外、海外に宮古島の良いものを紹介していける会社とし、働いている人たちがコーラルに入って良かったと思ってもらえるような会社にして、市民に愛される会社を目指したい」と抱負を語った。
株式が譲渡される3月31日で下地市長はコーラル社の社長から退任するが、従業員は継続雇用される。施設は引き続き市の所有で、コーラル社が指定管理者として管理、運営を行う。