洗練された踊りで魅了/伊良部公演
平良冨士子琉舞連場新春の舞
玉城流円の會平良冨士子琉舞連場主催の新春の舞「すでぃがふぅ(ありがとう)島に感謝」伊良部公演が15日、佐良浜の前里添多目的施設で開かれた。全員がボランティアで出演。洗練された琉舞、日舞などが披露され、観客らを魅了した。同琉舞連場が伊良部で開催したのは今回が初めて。
舞台は、老人役の植田多栄子さん、老女役の平良冨士子さん、子供役の具志堅智恵美さんによる祝儀舞踊「かぎやで風」で幕開け。レベルの高い舞で琉舞の素晴らしさを示した。
蔵田淳子さんと加藤祐美さんが軽快な琉球民謡「谷茶前」を楽しそうに繰り広げた。「谷茶前」は恩納村の海岸で、男がかいで魚を取り、女はバーキ(ざる)に魚を入れ、それを頭に乗せて売り歩く様子を表現した踊り。
佐良浜出身で広島県に住む池間国美さんは、古典女踊り「かせかけ」を舞った。
昔の沖縄本島では、布を織るための糸作りを「かせかけ」と呼んでいた。踊りでは、愛する人に着物を贈るための糸を紡ぐ姿を表現している。
同琉舞連場は広島支部、奈良支部、大和高田支部、座間味支部があり、池間さんは広島支部長で活躍している。
舞台では、琉舞「加那よー」、日舞「無法松の一生」「円ちえみ(具志堅智恵美さん)歌謡ショー」、創作踊り「伊良部かぬしゃがま」など、数多い演目が披露された。
最後は「黒島口説」で締めくくった。会場は各演目が終わるたびに大きな拍手が響いていた。
池間さんは「広島県で暮らして30年余り。時々里帰りしているが、4月には家族で伊良部大橋を渡るために里帰りしたい」と笑顔で語った。