キャンプシーズン到来/全国から選手続々
延べ宿泊数は5700泊以上に
野球や陸上など全国のプロ、実業団、社会人チームによる宮古島合宿シーズンが始まる。すでに日清食品グループ陸上部は9日から宮古入りし、温暖かつ交通量の少ない環境を生かして練習に励んでいる。来月1日からはオリックス・バファローズの2軍キャンプがスタート。その後は大学や社会人の硬式野球部ほか実業団の女子陸上部が合宿に入る。キャンプ期間中は選手・スタッフの約600人が来島。延べ宿泊数は5700泊以上と、宮古経済に与える影響は大きい。
宮古島観光協会の平良勝之副会長(ホテルニュー丸勝社長)や行政、宿泊施設の情報をまとめると、宮古島キャンプを予定しているのは野球が最も多い。
オリックスのほか社会人では日本通運とJR東日本が合宿を行う。JR東日本は初めての合宿で、それぞれ来月宮古入りする。
大学は、関西国際大をはじめ青森大、大谷大、国士舘大、平成国際大、琉球大が合宿を予定。青森大の2軍と琉球大が初。
高校では名門浦和学院のほか、横浜隼人、八重山商工など甲子園出場経験がある高校が来島する。
陸上関係では合宿中の日清食品グループほか三井住友海上とヤマダ電機、豊田自動織機の女子陸上部も宮古島合宿を行う。
陸上部は市の陸上競技場や交通量の少ないロードで練習する。野球は市営の平良市民、下地、城辺球場などを使用。2月と3月は各団体が時期をずらして利用するため、ほぼ毎日のように練習が行われる。
オリックス・バファローズ1軍のキャンプ撤退の余波が懸念される中、多くの学生、社会人が中・長期間滞在するため島の経済効果は少なくない。宿泊施設をはじめ飲食店、観光関連施設等の利用が見込まれる。
また、日清食品や三井住友海上、ヤマダ電機、豊田自動織機など実業団チームに所属する選手の練習は子供たちにとって良い刺激と手本になるため、競技力の向上も期待される。
宮古島で合宿を行う団体は右肩上がりで推移してきた。観光協会の平良副会長は▽島の抜群の環境▽行政による施設整備▽情報収集▽キャンプお礼回り▽空港での歓迎力-などを増加の要因に挙げた。
平良副会長は「温暖な練習環境に加え、島の人たちの温かさも選手が帰ってくる要因の一つ。これからも関係団体と協力してスポーツアイランド宮古島を訴えていきたい」と話した。
課題は野球の合宿要望のすべてに応えられていない現状が挙げられる。複数の大学、社会人が使用できる球場がないため合宿を断念しているという。合宿団体の増加は経済効果と直結するため、これらの要望にどう応えていくかは関係団体の検討課題となる。