新しい時代の幕開け/伊良部大橋が開通
親子三世代先頭に渡り初め
伊良部大橋が31日開通し、新しい時代が幕開けした。宮古本島側で同日午後1時から開催された開通式典では、松本洋平内閣府大臣政務官、翁長雄志知事、下地敏彦市長、各界各層の招待者など約1000人が参加。曇り空の下、記念植樹、同時進行のテープカット・くす玉開披が行われた。渡り初めでは親子三世代の3組を先頭に伊良部島に向け力強く一歩を踏み出した。宮古圏域悲願の幹線道路が動き出し、午後4時の一般車両通行開始で大橋と伊良部集落内などは車で
渋滞した。
宮古本島と伊良部島間の海を横断する形で整備された伊良部大橋(全長3540㍍、語呂合わせでサンゴの島)と海中道路などを含めた県道の長さは4310㍍。県道の正式名は一般県道平良下地島空港線(県道252号)。一般県道で無料通行は国内最長とされる。総事業費395億円が投じられ、2005年度の本格的な工事着工から10年の歳月をかけて完成した。
この日の午前中は北寄りの風9・9㍍、最低気温15・8度が観測された。
記念植樹後のセレモニーでは、久松中学校の生徒たちが伝統の獅子舞を披露。参加者らは、ダイナミックな演舞に大きな拍手を送っていた。
親子三世代には、平良字久貝の与那覇金一さん(82)と勝子さん(80)夫妻、伊良部字伊良部の洌鎌昌誠さん(84)と久子さん(81)夫妻、同字前里添の長濱勇さん(78)と啓子さん(79)夫妻らが参加。
親子三世代をトップに翁長知事、下地市長、佐良浜小・伊良部小学校のエイサー隊、招待者らが続いた。
主航路周辺では、鮮やかな大漁旗を掲げる漁船団が海上パレードを展開し、開通に花を添えた。
引き続き伊良部高校体育館で開通式典(県主催)、市伊良部公民館で開通記念祝賀会(市主催)がそれぞれ開催された。
祝賀会の舞台は「とうがにあやぐ」で幕開け。観客は会場の外まであふれ、祝杯で喜びを分かち合っていた。