夢の実現、かみしめる/開通祝賀会
島の住民「感無量」
「橋を架けたい」と願い続けた島の住民の40年来の夢が31日、実現した。伊良部大橋の開通の日を迎えた住民らは「感無量」と喜びをかみしめ、関係者とともに祝杯を上げた。市が主催する祝賀会で、伊良部架橋促進期成会の元会長の奥濱幸雄さんは「離島苦解消の瞬間であり、貴重な歴史の1ページがめくられた」と感慨深げに話し、島と宮古本島を結ぶ長さ3540㍍の大橋開通を祝った。
伊良部公民館で午後4時すぎから開かれた祝賀会には、衆参国会議員をはじめ、県議、市議、行政機関の代表ら500人以上が参加した。
祝賀会の幕開けは、琉球舞踊穂花会宮古舞踊んまてぃだの会亀浜律子練舞場の「とうがにあやぐ」。沖縄宮古民謡協会の地謡に合わせて優雅な舞を披露した。
主催者あいさつで下地敏彦市長は「伊良部大橋の開通により島の人々の生活環境は向上し、離島苦の解消はもとより、観光や農業の振興によって島の活性化が図られる」と強調。「大橋は国や県の関係者と地元の皆さんの熱い思いによって完成した。すべての皆さんに感謝したい」と述べた。
翁長雄志知事は「伊良部島の住民生活の利便性が確保され、宮古圏域の振興に大きく寄与するものと確信する」と祝辞を述べた。
この後、市議会の真栄城徳彦議長が乾杯の音頭を取り、「要請行動を続けてこられた先人、先輩の皆さんに心から感謝したい。宮古圏域が発展する素晴らしい未来に向かってお祝いの乾杯をしたい」と述べ、来場者とともに祝杯を上げた。
余興が披露された後、架橋促進期成会元会長の奥濱さんがあいさつし、「伊良部大橋の開通によって、宮古郡島が一つになった」と強調した。その上で「観光資源の増大による観光関連産業の振興および経済交流の活性化、下地島の残地活用と、伊良部大橋開通による相乗効果が最大限に発揮されることを期待する」と述べた。
祝賀会の参加者は各テーブルで乾杯を繰り返して大橋開通を祝福。完成までの道のりを振り返りながら喜びをかみしめていた。