文化体験型講座始まる/市文化協全4回開催
衣食住の変遷学ぶ/初回は上布保持団体代表が講話
宮古島市文化協会(大城裕子会長)が「温故知新~島の自然と文化を味わう」をテーマに全4回、開催する講座「みゃーく・ワークショップ」の第1回が11日、腰原公民館で開かれた。宮古上布保持団体の新里玲子代表が「今に生かす手わざの味わい」と題し、宮古島の衣文化について講話。参加した市民約40人は宮古上布の歴史などを学んだ。主催者は「文化体験型講座」と位置付けている。
新里代表は、宮古島の衣の変遷について、①西暦1400年以前の古代の衣②1500年以降の貢納布としての宮古織物③1900年以降の島の産業として発展する宮古上布-の3段階に区分する。
古代の衣は、自給自足の暮らしの中の布で、身近な草木から糸を取り織物に利用していたと説明する新里代表。宮古上布の祖とされる稲石が1583年に琉球王国へ献上して以降、宮古上布を税金として納めるようになり、主産地となった一方で、庶民の手からは遠ざかり、支配階級の衣服となった歴史を紹介した。
1903年に人頭税が廃止されると自由生産、自由販売の時代となり、島を挙げての一大産業として宮古上布が量産されるように。その結果、自家用織物が衰退したとの考えを示す新里代表だが、「最近は先人の暮らしに思いをはせる機運が高まっていて、日常使いのものを織りたいという人も出てきた。家庭料理の感覚で織りを考えると、今の人が日常で着ることのできる衣が生まれるのではないか」との思いを語った。
講話終了後、参加者たちは、帯は使わず、腰に巻いた細いひもに着物を挟み込む形で着る「ウシンチ」という着付けを民謡歌手の与那城美和さんから学んだほか、苧麻糸を作る「ブーンミ」体験も行った。
第2回講座は14日午後2時から、「スマフツを話してみよう」をテーマに腰原公民館で開催される。
同ワークショップは、宮古島の衣、食、住、言語の変遷を学び、先人たちの生き方や知恵を会得し、現在に生かすための機会を提供するもの。