学校にシステム構築を/インクルーシブ教育
モデル協力校が実践報告
障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの推進を目的とする宮古地区インクルーシブ教育システム実践成果報告会(主催・宮古教育事務所)が10日、県宮古合同庁舎で開かれた。学校教諭が参加し、モデル協力校の実践報告を聞きながら同教育システムの必要性について理解を深めた。
インクルーシブ教育は障害の有無によらず、誰もが地域の学校で学べる教育のことを指す。障害のある者が一般的な教育制度から排除されないことや、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供されることが必要とされる理念だ。
実践報告会では東小の与那覇明江教諭、多良間小の宮国真奈美養護教諭、平良中の砂川美琴養護教諭が同教育のモデル協力校として実践報告を行った。
多良間小の宮国教諭は、すべての子供が生き生きと過ごすためには①子供のニーズを見極める力②授業で子供を変えていく力-が必要と発表。ある児童の事例を挙げ、具体的な支援と変容を紹介した。
その上で▽先進都県学校等視察における研修成果報告をもつことで、全職員で共有できた▽支援が必要な児童のニーズに応じて合理的配慮を実施することができるようになった-とする成果をまとめた。
一方で、多良間村には専門家がいないことや専門機関、特別支援学校がないとする課題を報告。村外から指導者を招いて教職員の指導力をさらに高めていくことの必要性を説いた。