「普天間基地」最重要課題/翁長知事
就任後初の県政運営方針/2月定例県議会が開会
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)の2月定例会が19日、開会した。翁長雄志知事は過去最高額となる7465億円の2015年度一般会計当初予算案など82議案の提案理由と、就任後初となる県政運営方針を説明した。
翁長知事は普天間基地移設に伴う名護市辺野古埋め立て承認について「法律的な瑕疵(かし)の有無を検証する第三者委員会の報告を踏まえ、承認の取り消し、撤回を検討する」と述べ、従来の移設阻止の考えを強調した。さらに「普天間基地の危険性除去は県政の最重要課題であり、5年以内の運用停止を含め政府と調整する」との方針を繰り返した。
県政運営の重要テーマに、経済の好循環の拡大に向けた「フロンティア創造」、経済成長の果実を県民生活の各方面に広く浸透させる「新たな状況への対応」、「持続的人口増加」、「健康長寿おきなわの復活」、「安全・安心の確保」の五つを柱に掲げ、「沖縄振興を力強く推進する」と決意を示した。
主要施策には①沖縄の「経済」を拓く-経済発展プラン-として「自立経済発展資源の創出」「社会資本・産業基盤の整備」「沖縄らしい観光リゾート地の形成」「農林水産業の振興」、②沖縄の「幸せ」を拓く-生活充実プラン-で「地域力の向上・くらしの向上」「健康福祉社会の実現」「子育て・高齢者施策の推進」「医療の充実」「離島力の向上」「教育の振興」など、③沖縄の「平和」を拓く-平和創造プラン-では「沖縄から世界へ、平和の発信」「国際交流・協力の推進」「基地問題の解決と駐留軍用地の跡地利用」を挙げた。
15年度予算案の宮古関連では、下地島空港特別会計が3億8451万円で、全日本空輸(ANA)の完全撤退に伴う来年度の維持管理費の不足分を補てんするため、一般財源から約3億円の繰出金を計上した。沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業に前年度比で約9億円増の21億2900万円を盛り込んだ。
沖縄本島から県内離島への石油製品の輸送経費などの補助事業に9億8200万円。多良間空港など3空港に配備する空港用消防車(5000㍑級・3台)の購入資金に4億7596万円を充てる。
離島・へき地の勤務医、産科医などの医師確保対策補助事業に7億400万円、離島病院・診療所に専門医を派遣する県立病院医師派遣補助事業に3億8400万円をそれぞれ計上した。 2月定例会の会期は、3月27日までの37日間。代表質問は25日から27日までの3日間、一般質問は3月2日から5日までの4日間実施する。