仲間議員を戒告処分/市議会特別委が決定
野党「言論の尊重を危惧」
仲間賴信市議に対する処分要求に関する市議会の第6回特別委員会(嵩原弘委員長)は20日、仲間氏を「戒告」処分とすることを与党の賛成多数で決めた。戒告は議会が議員に科す軽微な懲罰だが、野党などからは「議会においては特に言論を尊重し、自由を保障するとの精神が侵されることになるのではと危惧される」と懸念の声が上がった。来月開会の市議会3月定例会本会議で報告され、報告通り可決される見通し。
仲間氏は昨年の市議会12月定例会一般質問で、「議員の兼業禁止の規定」について、市議の西里芳明氏と同氏が取締役になっている会社名を名指しして「多額の金が水増しされ、私腹を肥やしている」などと発言した。
このため西里氏が「侮辱を受けた」として、本会議に処分要求を提出した。
地方自治法第133条の規定では「普通地方公共団体の議会の会議または委員会において、侮辱を受けた議員はこれを議会に訴えて処分を求めることができる」とされている。
この日の委員会では仲間、西里両氏から提出された資料を基に、各委員が意見を述べた。
野党の亀濱玲子氏は「仲間議員の質問の趣旨は、議員のありよう、行政の在り方を問うた質問になっている。西里議員をあえて攻撃するという目的ではなく、当局に質問したというのが読み取れられる」と指摘。西里議員が「侮辱的な発言を繰り返した行為は地方自治法や市議会会議規則に反する」としたことには当たらないとして、仲間氏に懲罰を科すことはできないと主張した。
中立的な立場の國仲昌二氏は「水増し」との発言は、西里氏ではなく市当局へ向けての発言だったと強調。仲間氏が資料として提出した工事の設計額や当初請負額、変更請負額を示して「市民の目から見れば、なぜこういう事をするのかという疑問が沸いてくるのは当然」と述べ、懲罰には当たらないとした。
与党の濱元雅浩氏は懲罰に値するという賛成の立場から「一連の発言の中で『水増しされ、私腹を肥やしている』という表現まで出てしまった。無礼な態度と感じてしまうような侮辱的な発言であった。今後の議会運営のためにもしっかりと判断すべき」と述べた。
採決は挙手により行われ「仲間氏へ懲罰を科す」、「仲間氏へ戒告の懲罰を科す」はいずれも与党の賛成多数で可決した。
戒告の文案は嵩原委員長、粟国恒広副委員長に一任され、25日の委員会で承認を受ける。