中層型浮き魚礁2基設置/宮古近海
伊良部漁協と佐良浜漁業集落
伊良部漁協(漢那一浩組合長)と佐良浜漁業集落(国頭和則代表)は23日、宮古近海に人工の浮力体でマグロやカツオ、シイラなどの回遊魚を集める中層型浮き魚礁2基を設置した。今後の優れた漁場形成が期待されている。
国の離島漁業再生支援事業で設置した。総事業費367万円で、国が2分の1、県・市が4分の1ずつ負担した。
浮き魚礁はパヤオと総称され、海面に浮かぶ表層型浮き魚礁と海面下に設置する中層型浮き魚礁がある。浮体にはFRP製の浮き球がいくつも取り付けられ、浮いた状態に。
パヤオは1982年、当時の伊良部町と伊良部町漁協が日本では初めて宮古近海に設置した。その後県内や九州へと普及し、今年で33年の歴史がある。
中層型浮き魚礁は、おおむね海面下50㍍に設置。水深1000㍍前後の海底にコンクリート製の重りを沈め、その重りにつないだロープを魚礁に結びつけて固定化させる。
中層型浮き魚礁は表層型浮き魚礁と比べ、船舶の航行に支障がなく安全性が高く、潮流や波の影響が少なく、耐久性が優れている。
漢那組合長は「伊良部のほとんどのカツオやマグロはパヤオ漁場からの水揚げ。パヤオの設置が伊良部の水産業を支える」と語った。
市水産課(亀浜正博課長)は「今後ともパヤオの増設を進めたい」と積極的に取り組んでいく姿勢を示している。