高温期に細い枝づくりを/マンゴー経営管理技術研修会
一山アドバイザーが講話
2014年度経営管理技術研修会が27日、県宮古合同庁舎で開かれた。JAおきなわ南部地区営農センター果樹技術顧問で経営構造専門アドバイザーの一山幸博さんがマンゴーの開花期以降の栽培管理方法について助言。「高温の10月までに枝をつくること。この時期に細い枝をつくることで寒くなると花芽分化が促進される」と話した。チャノキイロアザミウマなどの病害虫防除に関しては「強い農薬は満開後一気に使用した方が良い」と勧めた。
研修会は県経営構造対策推進協議会が主催。経営構造対策事業で施設を導入した経営体やマンゴー栽培農家の多数が参加し、一山さんの話に耳を傾けた。
花芽分化について一山さんは「寒さがこないから花がこないというが、マンゴーは元々熱帯地域の植物であり、寒さがないところでも花はきている」などと指摘し、低温と花芽分化の因果関係を否定した。
その上で高温の10月までの枝づくりを勧めた。「枝は細く、花を大きくするのが基本になる。細い枝ほど花がくる」と話し、気温が高いときの枝の管理に重点を置くよう促した。
チャノキイロアザミウマなどスリップス(アザミウマ類全般の英語の総称)防除の徹底も呼び掛け。「焦らなくていい。最初から強い農薬を使用すると病害虫が抵抗力を持つ。そうならないように農薬をまく時期を見極める。その時期としては満開後一気にやることを勧める」と話した。
一山さんは宮古島産マンゴーの可能性についても言及した。県中央卸売市場のデータを示し、単価が他地区のマンゴーより高い実績を強調。「宮古島産のマンゴーは最も評価が高い。宮古ほど良い産地はない」と太鼓判を押した。
ただ、出荷調整の必要性を指摘。7月に集中することから「ピークを消すことを考えてほしい。つくれば売れる時代は終わった。売るための戦略が必要だ」と話して出荷時期の前倒しを提案した。「例えば寒いときに花を咲かせることができれば台風が来る前に出荷できる。『誰かがやる』のではなく、今の産地の現状をよく知り、変える努力を続けてほしい。つくっても売れないということにだけはならないための対策が必要になる」と述べた。
参加者は一山さんの話を熱心に聞き、宮古島産マンゴーのブランド化に向けて意識を高めた。