新図書館建設 延期へ/宮古島市
予定地の整備工事に遅れ/17年3月開館見直しも
市が旧宮古病院跡地の国有地(約2万3000平方㍍)を購入し、2015年度着工予定だった図書館と公民館併設の市未来創造センター(仮称)の建設が遅れる見通しだ。県が進める旧病院跡地の解体撤去工事の遅延が要因。市は開館時期については当初予定通り17年3月を目指すとしているが、土地購入のめどが立っていないことから、開館を含めた全体的なスケジュールを見直すことになりそうだ。
同国有地は、1943年から旧日本海軍が兵舎建設のため買収。戦後は米国民政府が財産管理し、沖縄の本土復帰に伴い大蔵省(当時)が引き継ぎ、県立宮古病院敷地として県に貸し付けた。2013年6月の県立宮古病院新築移転により、県は国有地返還のための原状回復工事を始めた。
旧宮古病院の解体撤去工事(鉄筋コンクリート造り10棟、鉄骨造り6棟)は当初、14年2月25日で終了する予定だったが、15年3月31日までに変更された。
県病院事業局県立病院課は遅れの理由として①設計時点では確認できなかった「地下ピット」が確認され、解体の数量が増加したため1カ月間工期が伸びた②既設の浄化槽内に滞留汚水があり、処分に時間を要し2カ月間工期を延長した③土壌汚染対策法に基づく調査により有害物質が検出され、区域指定を受けるまで7カ月間を要した-などとしている。
同課は現在、フッ素などが混じった汚染土壌の絞り込みを実施していると説明。汚染土壌の処分量が膨大となるため、縮減のための調査を行っているという。同課によると汚染土壌は県内では処理できず、宮崎県まで船舶で移送、処理される。
県内の国有地の処分を協議する沖縄総合事務局の諮問機関「国有財産沖縄地方審議会」は昨年6月、旧宮古病院跡地の国有地について、宮古島市への時価売却を適当とし沖縄総合事務局に答申している。
これを受け沖縄総合事務局では、宮古島市からの全面積の売払い申請を受理した上で、不動産鑑定所に同病院跡地の土地評価を依頼し、15年1月中に市と売買契約を結ぶ予定だった。
市未来創造センターは総事業費約35億円を見込み、合併特例債を充てる。
市は14年度予算で実施設計委託料1億6500万円、土地購入費4億4500万円を計上していたが、それぞれ年度に繰り越す。
市未来創造センターは、建物の延べ床面積6940平方㍍。うち、図書館部分は3146平方㍍で、新聞・雑誌コーナー、一般開架スペースのほか、調べ学習コーナー、子供開架スペース、対面朗読・録音室、インターネットコーナーなどを整備する。
公民館部分は2083平方㍍で、多目的ホールやスタジオ、研修室、創作室、調理室などを整備する予定。