募る故郷への思い/東日本大震災から4年
東日本大震災から11日で4年を迎える。原発事故で故郷を離れ、宮古島に避難してきた人たち。「故郷は今どうなっているのか」。帰郷への思いは募る。
「脱原発」を強く訴え
鎌田昭三さん(71)/福島県出身
福島県から宮古島に避難してから、もうすぐ4年になる。6月には故郷に戻り現状を確かめる予定だ。「宮古にこのまま住むか、福島に戻るか、現状を直視して決めたい」
自宅は南相馬市小高区。福島第1原発から20㌔圏内の立入警戒区域だった。
原発の恐ろしさを目の当たりにした。宮古島に避難後は「脱原発」で行動を展開。ハンドマイクを手に、被災当時の様子を語りながら原発事故の危険性を訴え、署名活動も実施した。
原発は全国に54基も造られた。「国は原発を再稼働しようとしているが、世論調査でも脱原発を訴える人は多い。国民が本当の幸せとは何かを追求している中、国の原発政策は民主主義と相容れない」と語る。
「何不自由なく暮らしてきた故郷とはどういうことなのか、幸せとはどういうことなのかを思う時、今の政治に憤りやむなしさを感じる」とも語った。「原発もそう、辺野古もそう、沖縄の基地問題もそう、そのような思いを強く持っている」
宮古島に避難してきた人たちを中心に「虹の会」を結成。定期的に集まって情報交換している。福島から中学の同期生人が訪ねて来たこともある。
地域の人たちとの交流もあり「オトーリの口上のうまさには本当にびっくりした」
昨年の冬は風邪を引いた。「宮古島に住んでから初めて。宮古の季候に慣れたのかな」と苦笑する。
表面的には宮古の生活には慣れているようだが「故郷への思いは頭から離れたことはない」と話した。