高校入学祝い金を創設/多良間村3月定例会
伊良皆村長が施政方針
【多良間】開会中の多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会は11日、本会議を開き、伊良皆光夫村長が2015年度の施政方針を発表した。定住や子育て、福祉対策への支援の充実、強化を図ることを強調。高校生への入学祝い金の創設、難病患者への助成額の増額と渡航回数を増やすことを明らかにした。また、将来を見据えた定住を条件とした、専門学校や大学などでの返済不要の奨学金制度の新設を検討するほか、U・Iターン者への住居対策として、空き家の利用や住宅建設を進めることを示した。
伊良皆村長は「これから一層の高齢化、少子化が予想されている。解決するどころか、もっとひどくなる可能性をはらんでいる」と過疎化の進展を懸念。「これを食い止めるには、村が実施している子育て支援や過疎化対策を地道に実施しながら、島の魅力を伝え地域活性化を図っていくことが重要である」と指摘した。
産業の振興については、村内のサトウキビ全農家がエコファーマーに認定されたことを踏まえ「このことは、多良間村黒糖の安全、安心を国内外にPRすることができる。差別化はもとより、『黒糖エコ生産の島』としての知名度アップになる」と強調した。
エコファーマーによる「自然を残した美しい島」というイメージづくりで観光客誘致につなげるとしたほか、黒糖に付加価値をつけた特産品開発を行い、土産品として販売していくことを提案した。
事業費億円余の予算を投入して新年度から建設される新製糖工場と集中脱葉機について伊良皆村長は「史上初といえる大型プロジェクト」と表現し、スムーズな事業執行へ向け関係者や村民に協力を求めた。
人材育成については、小6と中2を対象にした沖縄本島での職場体験学習の実施、夏休みを利用した東大塾の開設、インターネットを活用した自立学習応援プログラムによる学習支援を掲げた。
健康福祉と地域医療に積極的に取り組むことを強調。安全、安心な暮らしを構築するため、地域防災計画の検証を行っていくことも重要だとした。