個に応じた支援を/市立教育研究所
濱川さんらが研究結果報告
宮古島市立教育研究所の2014年度後期研究教員による教育研究報告会が12日午後、市中央公民館で開かれた。適応指導教室「まてぃだ教室」の指導教諭の濱川貴美子さんは自己肯定感を育む支援のあり方を研究。コミュニケーション力を高める個に応じた支援アプローチによって心を開いていく生徒たちの変容を成果の一つに挙げた。
この日の報告は、濱川さんのほか下地小教諭の大庭優子さん、平良中教諭の砂川恵さんが行った。
児童生徒の支援及び教育相談に当たるまてぃだ教室の濱川さんは、教室を利用する個々の児童生徒が抱える問題はさまざまとしながらも、根本には「自己肯定感や自己有用感の欠如が関連している」と分析。これらの現状を踏まえ、個に応じた支援の工夫やコミュニケーション力を高める体験活動等を取り入れた教室運営について報告した。
研究の全体構想として▽通室児童生徒の実態把握▽居場所づくり▽信頼感の構築▽支援方法の確立▽安心感とやる気の回復▽自分の良さや可能性に気付く-という流れを説明。この過程に合わせてボランティア活動やスポーツ体験、野外活動など個に応じた支援を実施することで児童生徒が自己肯定感を向上させるという指導成果を描いた。
これらの研究の成果として①児童生徒個々の課題に目を向け、意識して体験活動や言葉かけの工夫をすることで自己肯定感を高めることができた②職場体験や修学旅行に参加できた③受け入れ当初は他者とかかわれなかった生徒たちが、コミュニケーションを取る努力をするようになった④生徒9人中、2人が学校に復帰し3人が登校にチャレンジした-などを挙げた。