自衛隊配備で賛否/市議会総務財政委
同要請書は自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出したもので、中国による度重なる領海侵犯などを背景に、防衛省が宮古島への陸上自衛隊配備を検討していることを指摘。自衛隊が配備されれば過疎問題解消や経済効果、災害発生時の救援活動など多くのメリットが予想されるとの見解を示し、市議会で自衛隊配備について早急に議決を行い、防衛大臣などに早期配備の要請を行うことを求めている。
委員会では新城元吉氏が「自衛隊誘致が経済発展につながるとは絶対に思えないし、人口増大や雇用対策というのも的はずれな幻想。中国との問題は外交で解決すべきこと。新たな基地を作ることは中国を挑発することになる」。前里光恵氏は「まずは市長の考えを問うべき。地元から要請することではなく、防衛上どうしても配備が必要ということであれば国、防衛省が判断することであって、一日も早く配備してほしいという要請はナンセンス」と反対の考えを示した。
それに対し、濱元雅浩氏は「南西諸島の防衛体制強化は防衛計画にうたわれている。この要請は国が決定して進めていく計画をできるだけ早く進めてほしいという要請。陸上自衛隊の配備に賛成の立場からこの要望を出すことには賛成」。平良隆氏は「自衛隊が来れば人口も増え、経済、雇用面でも効果が出て、地域が発展すると思っている。自衛隊誘致に賛成。防衛のためではなく、地域発展のため、災害時救援活動のために良いと思う」として賛成する考えを表明した。
山里雅彦氏は「大事なことは自衛隊配備について宮古島市民へ説明し、その後、どう考えていくかということを、まず住民に投げかけて理解を得ることだと思う。国がどうしても必要というのであれば、まず市民に投げかけるのが一番。今、要請を決議するのはいかがなものか」と結論を出すには時期尚早であるとの考えを示した。
意見が分かれる中、嵩原委員長が「十分な審議が必要だと思う」として今委員会では結論を出さず、継続審議とすることを提案。全会一致で継続審議とすることを決めた。