副反応支援要請を採択/市議会文教社会委
子宮頸がん予防ワクチン
全国で副反応が報告されている子宮頸がん予防ワクチン接種で、宮古島市議会文教社会委員会(垣花健志委員長)は16日、副反応被害の早期解決を求める陳情を全会一致で採択した。予防ワクチンの接種と副反応の因果関係および被害の実態調査、治療法の確立などを国に求める意見書を25日の最終本会議に諮る。
今回の陳情は、宮古島子宮頸がんワクチン副反応被害者を支える会が提出。宮古島市内で副反応報告例が少なくとも2件あることを踏まえて要請していた。
副反応が疑われる症状に苦しむ被害者を支援するために▽医療経費に関する自治体の助成▽子宮頸がんワクチンを接種した全員への実態調査▽製薬会社にワクチンの成分公表と治療方法の確立を求める働き掛け▽沖縄本島、本土専門医との医療連携システムの確立-などを要望。これらを網羅した意見書を関係機関に提出するよう求めている。
文教社会委員会では「予防ワクチン接種は公費で進めたものだが、宮古島市でも被害が出ている。国に支援を求めつつ、自治体でも考えていくべきだ」とする意見や「これは公的な部分で何とかしていかなければならない」と要請の趣旨に賛同する声が相次いだ。反対する意見はなかった。
結果としてこの陳情は全会一致で採択した。文教社会委員会として、要請の実現を求める付帯意見を付ける方針も確認した。
子宮頸がん予防ワクチンは100カ国以上で使用されており、その必要性を重視した国が緊急促進事業として2010年に公費負担でスタートさせた。国の方針に従う形で宮古島市も市民に勧奨し、市の調べによるとこれまでに延べ4394人が接種している。
高い予防効果が期待されるワクチン接種だが、定期接種となった13年に全国で接種後の健康被害報告が相次いだ。このため厚労省は同年6月に方針を転換、接種を積極的に勧奨することを取りやめた。市も同様の対応を取っている。