市選管判断への見解なし/西里氏、公選法104条問題
県選管が回答文書
市選挙管理委員会(下地淳徳委員長)が西里芳明市議の「公職選挙法104条」適用について「現時点では適用することができないものと考える」との判断に対して県選挙管理委員会に求めていた回答が17日に市選管に寄せられた。県選管からの回答文には市選管の判断に対する見解は一切無く、同104条と地方自治法92条の2の条文がほとんどを占めていたという。
県からの回答文について、市選管の宮國恵良事務局長は「回答文の中には市選管の判断に対する県選管としての見解はまったく無かった。見解があった方が分かりやすいが、そのような文言や見解は示されていなかった」と述べた。
公選法104条では、地方公共団体の議会議員の選挙における当選人で、当該地方公共団体に対して地方自治法第92条の2(議員が請負人等となることを禁止)の規定に関係を有する者は選管に対し、当選の告知を受けた日から5日以内に前記の規定に関係を有しなくなくなった旨の届け出を求めており、その期間に届け出がないときは「当選を失う」としている。
市選管によると、西里氏は市から公共工事を請けていた建設会社の取締役でありながら、2013年10月に行われた市議会議員選挙では、候補者届の職業欄に「会社役員」ではなく「会社員」と記しており、当選後もそのまま取締役を務め、市からの公共工事を受注していた。
市選管では、今月2日の定例会で、この問題を議題として取り上げて「適用することができない」との判断を下した。
その判断の根拠としては、西里氏が立候補する際の届出書に公選法104条に該当する旨の記載が無かったことや、他県の事例や当選に対する異議申し立て(14日間)が無いことなどを理由に挙げている。
市選管が参考にしたのは愛知県大府市の事例で、2011年の7月に行われた同市議会政治倫理委員会の中で市当局が委員の議員に説明した内容として「公選法の104条については5日以上経過した後にその事実を知ったとしても、後日発覚した定めがないため適用することができなくなっている」との判断が参考となった。
本紙の取材に対して県選挙管理委員会は「市選管の判断に対する見解は示していない。あくまでも法的な解釈のみの回答しかしていない」と述べた。
さらに、「同様のケースが県議会の中で発生した場合はどう判断するのか」の質問には「それは実際に起こってみないと分からないし、それぞれのケースによると思う」と述べた。