「公選法に抵触の恐れ」/受験生への菓子贈呈
事実確認せず 野党「根拠ない答弁」/選管委員長
嵩原弘氏は19日の市議会(真栄城徳彦議長)3月定例会一般質問で、國仲昌二氏の妻が代表を務めている菓子店が今年2月、市内中学校に菓子を贈ったとの新聞報道を引用し、「複数の市民から公職選挙法の寄付の禁止に当たるのではないかとの問い合わせがあった」と述べ、市選管に公職選挙法違反に該当するのかどうか質問した。市選挙管理委員会の下地淳徳委員長は答弁で「公職選挙法に抵触する恐れがあるものと思われる」との見解を示した。
下地委員長は答弁の根拠を「新聞紙上で確認した」と言い関係者に事実確認をしていなかった。野党などは「根拠のない答弁」と指摘。國仲氏は同日、「あくまでもマスコミの情報のみによる一般論としての答弁である」と述べ、下地委員長に訂正を求めた。
同件は今年2月10日、國仲氏の妻が代表を務める菓子店が、市内中学校の受験生人に合格を祈願するクッキーをプレゼントした。
本紙を含む地元2紙は、贈呈式の場で学校評議員で「同店スタッフ」「同店」の國仲氏が激励の言葉を掛けたと報道した。
下地委員長は答弁で、「公職の候補者等の関係会社等の寄付の禁止」がうたわれている公職選挙法第199条の3の条文を読み上げた上で、「公職選挙法に抵触する恐れがあるものと思われる」と述べた。
これに対し、國仲氏や中立会派21世紀新風会、野党が猛反発。休憩を求めた上で、下地委員長に対し「何を根拠にした答弁なのか」「どのような確認、調査をしたのか」などと回答を求めた。
國仲氏は「政治家の名前を表示して行う寄付」などが禁止されているとした総務省の見解を示し、「どういった名前で贈呈されたというのは確認したのか」と述べた。
これに対し、下地委員長は「確認したのは新聞紙上」だとし、菓子店や学校側には確認していないと説明。再答弁でも公職選挙法第199条の3の条文を再度読み上げ、答弁の変更はしなかった。
下地委員長は一般質問終了後マスコミの質問に、答弁は嵩原氏の質問書を受けて自身が判断したと言い、「他の委員には諮っていない」と述べた。総務省の見解については「総務省がどうのこうのではなく、抵触すると判断した」と語った。
國仲氏は、下地委員長に対し「菓子店は市議選に出る前に代表を降り、給料ももらっておらず私の関係会社ではない」と主張し、本紙が報じた「同店スタッフ」を否定した。
その上で「誰の名前で寄贈したのか確認していないのに、なぜ違反する恐れがあるのか。議員一人の身分がかかっている」と答弁の訂正を求めた。
公選法では入学祝い金や結婚祝い金、運動会やスポーツ大会への飲食物の差し入れなども禁止されている。一部市民からは「全ての市議に当てはまるのではないか」との声も上がっており、今後波紋を広げそうだ。