奨励新品種に「農林27号」/サトウキビ
高糖多収 早熟性で年内収穫も可能
「KR96-93」の呼び名で栽培されているサトウキビが、県の奨励品種に新たに登録された。登録品種名は、農林27号。試験栽培では収量、糖度ともに高い成績が出ている。葉が取りやすく、手刈りに向く。早熟性で、12月初めからの年内収穫が可能という。
KR96-93は、先島地域の夏植え向けに、種子島の九州沖縄農業研究センターで開発された。農林8号を母親に持つ。県農業研究センター宮古島支所などでの、試験栽培を経て奨励品種登録となった。
試験栽培によると、10㌃当たり収量は9950㌔と、農林8号より181㌔(22%)多い。宮古で最も普及が進んでいる宮古1号をも560㌔(6%)上回った。
平均糖度は14・5度で農林8号の13・9度、宮古1号(14・0度)の両品種と比べ高かった。
10㌃当たり可製糖量は1330㌔で、農林8号と比べ290㌔(28%)多い。宮古1号の1210㌔をも120㌔(10%)上回った。
重要特性に①農林8号に比べ茎が太く、長さ太さのそろいが良い②脱葉が良く側枝の発生もないことから手刈り収穫に向く③収量、品質ともに農林8号より良い④葉焼け病など葉の病気への抵抗性が強い-などを挙げている。
生態的特性は発芽性「良」、ぶんげつ性「やや弱」、萌芽性「やや良」、風折抵抗性が「やや強」。生育旺盛な時期に台風が来ると、茎などが折れる被害が発生するため春植え、特に遅い春植えは避けるよう注意を促している。
沖糖、宮糖管内では、すでに農林27号が栽培されており、沖糖の2009-10年期産原料に占める構成比は約18%だった。