漁協の見解見守る考え/市議会一般質問
アーサ採取で下地市長
下地敏彦市長は20日、海岸に自生している海藻の一種「ヒトエグサ」(宮古方言・アーサ)の採取について「これまでの慣習がある。家で食べる分には良いのではないのかという話もある」と述べ、近日中に3漁協(宮古島、伊良部、池間)が示す予定の「統一見解」を注意深く見守る考えを示した。同日行われた市議会3月定例会一般質問で、上地廣敏氏の質問に答えた。
上地氏は質問で「県下36漁協のうち、アーサを漁業権対象種に指定し、採取を禁止しているのは15漁協と半数に満たない。多良間島の周辺海域も指定されていない。アーサは宮古の風物詩、昔からの慣習として特にお年寄りの皆さんは楽しみにしている。寛大な措置を漁協に申し入れた方が良いのではないか」と述べた。
これに対し下地市長は「アーサが豊富でそれを漁業として営んでいる地域は、共同漁業権という形で指定される。多良間はアーサを漁業としてやっておらず、地域の人たちだけが採取している。特に漁業者の権利として保護する必要はない」と述べた。
一方で下地市長は「これまでの慣習もある」と話し、自家消費についてはある程度の理解を示したが「近々漁協が見解を出すというので、その中身を見てから十分に調整してみたい」と述べるにとどめた。