尖閣を上空から視察/国家主権と国益守る議員連盟
地元の不安の声も聞く
民主党の原口一博前総務相ら超党派の国会議員でつくる「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」のメンバー5人が9日、尖閣諸島を上空から視察。視察後、石垣市内で尖閣諸島沖中国漁船衝突事件をめぐって地元首長や議員、漁業者らと意見交換した。漁業者から操業に対する不安の声が相次ぎ、尖閣周辺の警備強化や避難施設の整備を求める意見が続出。原口共同代表は「政府に提案して必ず実現したい」と述べ、政府に強く働き掛けていく考えを示した。意見交換会には、宮古島市の下地敏彦市長、下地明議長も出席した。
メンバーは民間のチャーター機から尖閣諸島を見た後、午後3時半から市内ホテルで意見交換会を開いた。地元からは中山義隆市長、伊良皆高信議長、上原亀一八重山漁協組合長、漁業者らが出席した。
出席した地元漁業者は「とにかく安心、安全に操業できる環境をつくってほしい」と口をそろえ、中山市長は「国境に私たちが生活することで、国益が守られていることを中央に声を大にして届けてほしい」と訴えた。下地市長も「漁業者が要望したことはまったく当たり前のこと。国家としての責任を果たしてほしい」と要望。「漁連の会長時代も尖閣諸島周辺海域で安全操業を確保するために頭を痛めていた。(政府は)もっと早く手を打つべきだったと思うが、国政の場で論議してもらいたい」と訴えた。下地議長は「固有の領土なので桟橋や港の整備は当然やってしかるべきだ」と述べた。
原口氏は「国境に暮らす人が国を支え、国家を守っている。尖閣諸島周辺でのトラブルを防ぐために海保や水産庁の体制はこれでよいのか、しっかり国会で議論していきたい」と述べた。
終了後の会見で原口氏は「地元は長い間、忍従してきた。当たり前のことが当たり前でなかった。違法操業やトラブルが発生し、不安を抱えていることがよく分かった。宿題をもらったので政府に提言、実行していきたい」と述べた。国境離島振興法の制定や一括交付金の重点化に取り組む考えも示した。
(記事、写真とも八重山毎日新聞社提供)