農林27号、全体の6割/宮古本島
糖度14度台と高品質
キビ品種別搬入実績 工場は複数の品種奨励
宮古本島内製糖2工場は28日までに、2014-15年産サトウキビの品種別搬入実績をまとめた。両工場とも最も多く搬入した品種は農林27号で、全体の6割以上に及んだ。平均糖度は14度台と高く、品質面でも高い実績を残した。課題は品種の偏り。27号はここ数年急激に伸びている品種だが、同じ品種に偏ると自然災害や病害虫被害発生時の広がりが懸念される。製糖工場では、複数の品種を使用して危険を分散するよう促している。
沖縄製糖宮古工場管内の搬入比率は27号が62・64%と最も多かった。次いで21号が13・17%、25号は9%の使用率だった。
平均糖度は15号が唯一15度台の実績を残した。27号は14・80度、21号も14・67度と高品質だった。
宮古製糖城辺工場も同様の搬入傾向だった。27号が全体の63・76%を占め、21号が14・50%、25号はわずか4・43%の搬入だった。
平均糖度は15号が14・26度、宮古1号14・23度、27号14・13度となり、いずれも高品質の原料だった。
製糖工場では、危険分散の観点から3種類程度の品種の使用を推奨。同じ品種に偏ると病害虫被害がまん延しやすいことや、台風などの自然災害時に大きなダメージにつながることなどを理由に挙げている。
沖糖農務部では、春植えや株出しには比較的気象条件の変化に強い25号の使用を勧めている。いずれにしても特性に応じて複数の品種を使い分け、危険を分散するよう呼び掛けている。
農畜産業振興機構によると、農林27号は「多収で収穫しやすい」品種だ。太茎で脱葉性が良く、手刈りに向く高糖品種で近年使用する農家が急増している。
ただ、春植え、特に遅い春植えでの使用は避けるよう注意を促している。
農林25号は干ばつに強い品種だ。生育初期から伸長性に優れ、干ばつ常発地域で収量性に秀でている。春植えでは茎数がやや少なくなるため、通常よりも密植することを勧めている。
早期高糖の農林21号は風折抵抗性に優れる品種として注目される。ただ、発芽が悪いため、植え付け時は苗を多めにするような栽培管理が必要になる。