天然記念物保護へ/ミヤコサワガニ
保護監視員に照屋さん
宮古島市は3日、県指定文化財(天然記念物)のミヤコサワガニを保護する監視員として、城辺の照屋秀雄さん(76)に委嘱状を交付した。照屋さんは定期的にミヤコサワガニの生息地域で監視活動を行い、貴重な生物の保護に努める。
ミヤコサワガニは1997年に発見され、2001年に宮古島固有の新種であることが確認された。10年には県の天然記念物に指定されている。
陸上の淡水で一生を過ごすことから、宮古島が一度海中に沈んだとする地史を再考する重要な生物として注目を集めている。
ただ、13年に外来種のヤエヤマイシガメがミヤコサワガニを捕食していることが判明。市がヤエヤマイシガメの捕獲・駆除に乗り出していた。14年3月に駆除作業を開始し、この1年で160匹のヤエヤマイシガメを捕獲している。
照屋さんは、週2回、月9回を限度に保護監視活動を行い、ヤエヤマイシガメなど捕食動物の捕獲ほか監視指導に当たる。活動の内容は市長に報告し、報酬を受け取る形になる。
照屋さんは「保護監視活動をしっかりと務めていきたい」と決意。委嘱状を交付した市生活環境部の平良哲則部長は「ミヤコサワガニは重要な固有種。これを守るための監視活動をお願いしたい」と話した。