水使用料増額案を可決/土地改良区臨時総代会
年額2000円で決着/事業計画、予算も成立
宮古土地改良区(理事長・下地敏彦市長)の臨時総代会が13日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれ、賦課金(水使用料)を現行の年額1500円(10㌃当たり)から2000円に引き上げる増額案を賛成多数で可決した。これを受けて2015年度の事業計画や予算案も審議入りし、同日可決された。事業計画には、給水栓やスプリンクラー等の施設を補修する交付金事業を新規で盛り込んだ。
賦課金をめぐっては先月26日の総代会で一度否決されている。このときは現行の地積割に加え、年間200㌧(10㌃当たり)を超えた場合、1㌧ごとに6円を賦課する「使用水量割」の増額案が示されていた。
理事会は否決を受けて賦課金増額案について再考。この結果、使用水量割を取り下げ、地積割のみ500円増額する案をまとめた。
臨時総代会の冒頭、下地理事長は「施設の維持管理費や電気料金が増え続けているほか、基幹水利施設の維持管理事業の負担金が増額している。補助事業の活用だけでは補えない経営状況にある」と厳しい財政事情を訴えた。その上で「賦課金を改定し、管理体制の安定と強化を図ることは緊急の課題」と強調した。
職員の給料を減額することにも触れ、「土地改良区の健全運営のために、役職員一同、農家所得の向上に向けてまい進していく」と決意を述べた。
提案後の質疑では「県内の土地改良区の賦課金をみると宮古は安い。500円アップし、2000円とする案に賛成だ」と理事会案に賛同する声があった。
一方で「農家にこれだけの負担を求めるわけだから当局はもっと身を削るべきではないか」とした上で、増額の幅を200~300円で調整すべきだという対案を示す総代もいた。
これに対し当局は、13年度から職員の給料を抑え、管理職手当もカットしている現状を紹介し、増額500円への理解を求めた。
採決の結果、賦課金増額案は賛成多数で可決。関連する新年度事業計画や予算案も可決、成立した。
事業計画では、給水栓やスプリンクラー等の補修に対応する多面的機能支払制度による資源向上支払交付金(長寿命化)の受託業務を新規で実施するとした。
そのほか▽土地改良施設維持管理適正化事業▽基幹水利施設操作業務▽スプリンクラー(半円)取り替え▽宮古伊良部農業水利事業地下水観測業務-などを継続事業として実施する。
賦課金増額案の可決を受け、総額2億4100万円とする新年度予算も成立した。