輸送は航空と船舶併用を/マンゴー滞貨解消で意見交換
農家の意識改革も強調
宮古島マンゴー滞貨問題に関する意見交換会が13日、宮古島商工会議所で開かれた。行政機関や生産農家、商工会議所、海運会社、宅配便事業を行う企業など関係者が出席。出荷量のピークを迎えるマンゴーの積み残しの解消向け、それぞれの立場から意見を交わした。出席者からは生産量は今後増えると予測、「航空と船舶を併用した輸送体系は避けられない」と指摘し、出荷量のコントロールなど農家の意識改革が必要だとした。海運会社や宅配企業は、滞貨の解消に積極的に協力する考えを示したがコストも掛かることを強調。「農家が嫌がればアウトだ」と話し、課題解決には農家もある程度のコストを覚悟して取り組まなければならないと呼び掛けた。
意見交換会はパラダイスプランの西里長治社長と、マンゴー生産農家で島の駅みやこ出荷者協議会の上地登会長が発起人となって開催した。
2014年度のマンゴー生産量は760㌧で、1000㌧は目前となっている。一方で、スカイマークが撤退、今後は観光客の増加も見込まれていることから、航空機だけに頼る輸送体系の見直しが指摘されている。
意見交換会はこういった現状を踏まえ、貨物が輸送しきれず貯まってしまう、いわゆる「滞貨」の回避に向け、さまざまな意見を出し合い解決への糸口をつかもうと実施した。
生産農家からは「個人に送るマンゴーは船舶輸送で、デパートや量販店に送るマンゴーは空輸が望ましい」と述べ、発送の段階で輸送手段をしっかりと区別することが重要だとした。
宅配企業からは「ピーク時をあらかじめ設定し、それに対応するような出荷量のコントロールが必要」と指摘。農家が意思の統一を図り、輸送問題を解決していこうとする認識が必要だとした。
生産農家からは「船が毎日運航するようなダイヤの確立はできないか」「冷凍施設を設置することはできないか」などの意見もあったが、海運会社、宅配企業からは「リスクを伴っても支援すべきと思うが、生産農家も考え方を改めるべき」と述べ、これまでの認識から抜け出し新たな手法で顧客の開拓を目指すべきだと提案した。
発起人の一人、上地会長は「地下ダムの利用、東京直行便の開設、ウリミバエの根絶など農業を取り巻く環境は急激に変化した。マンゴー栽培の歴史は20年余と浅いが、観光振興や雇用の面でも大きく貢献しており、宮古島が適地適作だと思っている」と述べ、周囲の知恵と力を結集して、さらなる生産拡大に努めていきたいと力説した。
意見交換会は今後も引き続き開催する予定で次回は5月中旬ごろ。生産農家や船舶関係者が滞貨の解消に向けての具体的な施策を提言する予定という。