人口の将来展望策定へ/「まち・ひと・しごと創生」
5年間の総合戦略も/宮古島市 推進本部を設置
宮古島市は21日、下地敏彦市長を本部長とする「まち・ひと・しごと創生推進本部」を設置し同日、市役所平良庁舎で第1回本部会議を開いた。同本部は人口減少に対応し、住み良い環境を確保して将来にわたり活力ある地域社会を維持することを目的に設置。人口問題に関する長期ビジョンと今後5年間の施策の方向性を盛り込む総合戦略を策定する。下地市長は「人口減少に歯止めを掛け、若者定住などによる地域活性化を図らなければならない」と意義を述べた。
「まち・ひと・しごと創生法」の制定に伴い「長期ビジョン」及び「総合戦略」が昨年12月27日に閣議決定されたことを受けて設置した。
人口問題に関する長期ビジョンは、2060年でも人口1億人程度が維持できるよう、将来展望を示すのが目的。政府は、今後5年間の施策の方向性を盛り込む総合戦略と併せて、12月に策定する方針だ。
宮古島市における人口ビジョン策定については、人口分析や人口の将来展望に係る住民意識調査などを実施。それを踏まえて▽安定した雇用の創出▽新しい人の流れをつくる▽若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる▽時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る-などを基本目標として総合戦略を策定する。
推進本部は庁内組織で①人口ビジョンの策定②総合戦略の策定③各施策の推進-などについて検討する。
下部組織として作業部会を置き、人口ビジョン及び総合戦略の素案づくりの検討や部局間の調整、協議などを行う。
さらに外部組織として「宮古島市まち・ひと・しごと創生推進委員会(仮称)」を設置。商工会議所や観光協会、農業関係、社会福祉協議会、PTA連合会、NPO法人、マスメディアなどの各団体や組織などで構成し、人口ビジョンや総合戦略の策定、推進に関する幅広い検討や意見を本部に述べる。
事務局では、来年2月中には人口ビジョン及び総合戦略を策定したい考え。
第1回推進本部会議は市役所平良庁舎で開かれ、本部長の下地市長、副本部長の長濱政治副市長ほか、本部員の宮國博教育長や各部局の部長級らが出席。推進体制及び今後のスケジュールや「長期ビジョン」と「総合戦略」の全体象などについて事務局から説明を受けた。
地方版総合戦略 安倍晋三政権が掲げる政策「地方創生」に関し、各自治体が策定する5カ年計画。人口減少の抑制や地域再生についての施策や目標を盛り込む。臨時国会で成立した「まち・ひと・しごと創生法」が、努力義務として都道府県や市町村に策定を課した。国は2015年度中の策定を求める方針。
戦略には地域での雇用創出や人口増などに向けた目標を明記し、取り組んだ施策の効果を事後的に検証できるようにする。各自治体は、総選挙後に取りまとめられる国の総合戦略を勘案し、地域住民ら関係者とも連携して策定作業を進める。