農業産出額は150億円/13年度宮古地域実績
4年ぶりに大台突破/キビ71億円、肉用牛30億円
県宮古農林水産振興センターが発刊した「宮古の農林水産業」で、宮古(宮古島市、多良間村)地域の2013年度農業産出額が150億7800万円に上ることが分かった。前年度と比べて1億3300万円増えており、150億円に達するのは4年ぶり。品目別ではサトウキビが71億円と最も多く、これを基幹作物とする宮古地域の農業構造が顕著に示された。肉用牛は30億円、葉タバコは23億6000万円だった。
宮古地域の耕地面積は1万1783㌶で、地域総面積の52%を占める。沖縄本島および周辺離島の13・1%、八重山地域の13・5%と比べても耕地面積が大きいことが分かる。
農業生産は台風の接近や干ばつ等の気象条件に左右されるが、近年の産出額は135億円から160億円の範囲で推移している。
基幹作物・サトウキビの過去5年の平均生産量は約30万㌧で、県全体生産量の4割を占める。株出し面積が急速に拡大しており、13年度は収穫面積の3分の1が株出しとなった。
13-14年期の生産量は32万6420㌧で農家戸数は前年と比べて53戸減の5384戸、収穫面積は154㌶増の4859㌶だった。
全体の産出額からはじく1戸当たりの平均収入は132万円だった。
肉用牛の飼養戸数は1042戸で、前年に比べて117戸減少した。飼養頭数も前年比638頭減少しており、1戸当たりの平均飼養頭数は約14頭。他地区に比べて少頭飼いの傾向が浮き彫りとなった。1戸当たりの平均収入は295万円となっている。
葉タバコの産出額は台風接近などによってばらつくが、過去5年の平均は約22億円となり、肉用牛に次いで第3位の実績だった。
栽培面積は約600㌶で安定しており、生産量は県全体の6割以上を占める重要産業となっている。13年産の実績は農家139戸で収穫面積が585㌶、収穫量は1112㌧だった。
野菜は、トウガン、カボチャ、ゴーヤー、オクラをなど拠点産地認定品目を中心に生産を伸ばした。13年度の産出額は11億9000万円で、前年度に比べて1億4000万円増えた。
果樹生産はマンゴーを中心に右肩上がりが続く。13年産マンゴーの県内地区別生産量は宮古地域が37・1%でトップ。産出額はドラゴンフルーツやバナナを含めて10億円を突破した。
4年ぶりに150億円の大台にのせた農業産出額だが、一方では農業就業者の高齢化や担い手不足という懸念がある。今後は機械化の促進や農地の流動化による規模の拡大、農業用水の有効利用や防風林整備等による防災対策、後継者の育成等が課題となる。