久松五勇士の偉業再現へ/110周年事業期成会
八重山までの走破計画/サバニに入魂の儀式
久松五勇士の偉業から110年に当たる今年、五勇士の足跡を後世に継承しようと、復元したサバニで、久松から八重山までこぐ計画が進められている。計画を前に同記念事業期成会(粟国恒広会長)は27日、久松漁港内でサバニに魂を入れる儀式を行った。サバニをこぐのは久松青年会の5人。粟国会長は「先人たちのアララガマ魂と宮古島市、石垣市との交流のメッセージを伝えたい」と話した。出発は7月4日正午。順調にいけば石垣到着は19時間後の5日午前7時ごろを予定している。
儀式にはこぎ手の5人と期成会のメンバー、自治会会員らが参加。魚や米、泡盛、果物などを供え、復元したサバニに塩をまいて航海安全を祈願した。
1905(明治38)年5月24日、ロシアのバルチック艦隊を発見し、通信施設のある八重山伊原間までの約120㌔をサバニを漕いで日本本土へ打電した5人の漁師の勇気を再現する。
85年の80周年の際にも行われ、当時の5人のこぎ手は「昭和の五勇士」と呼ばれた。
今回使用する舟は30年前に使ったサバニで長さ約7㍍。久松出身のサバニ大工、故仲宗根三郎さんが手掛けたという。
期成会によるとサバニは屋久杉が使用され、鉄のくぎに代わって木製の菱形のくさびが使われている。所々に腐食が見られたため、糸満のサバニ大工に修復を依頼した。
サバニをこぐのは下地雅也さん(28)、洲鎌巧さん(28)、與那覇卓さん(28)、宮国広信さん(27)、濱川広人さん(26)の5人の若者。
30年前の4月25日には、地元住民約3000人の見送りを受け砂川正人さん、内間秀勝さん、宮国定二さん、与那覇正昭さん、美里俊治さんの5人が石垣目指し出発。翌26日午前10時33分に目的地の伊原間海岸に到着し、約2000人の盛大な出迎えを受けた。