陸自規模は700~800人/候補地に野原と西原
防衛副大臣が宮古島配備を説明
左藤章防衛副大臣は11日午前、市役所平良庁舎で下地敏彦市長と会談し、宮古島への陸上自衛隊部隊の配備計画を説明した。部隊規模は700~800人程度で警備、地対空ミサイル、地対艦ミサイルの3部隊を配備。部隊配置先の候補地としてゴルフ場「千代田カントリークラブ」(上野野原)と「大福牧場」(平良西原)を挙げた。左藤副大臣は「島への攻撃の抑止力を高めたい」と理解を求め、下地市長は「理屈としては十分理解する。市議会に報告し、しっかり論議してもらいたい」と回答した。
陸自配備は尖閣諸島周辺を含む東シナ海で活動を活発化させる中国を念頭に、南西諸島の防衛体制を強化する狙いがある。地元の理解が得られれば、駐屯地整備など関連経費を2016年度予算の概算要求に盛り込む。
計画によると、千代田カントリークラブと大福牧場の土地を取得し、隊庁舎やグラウンド、火薬庫、訓練場などを整備する方針。
左藤副大臣は「南西諸島の防衛体制は厳しいものがあり、また重要である。政府としては、安全保障関係におけるいかなる変化が起きても国民の生命、財産、領土、領海、領空をしっかり守っていかなければならない。力による現状変更は許し難いこと。一層、強い意志を持って対処していく必要がある」と述べ、配備計画に理解を求めた。
「警備部隊を配置することによって、島への攻撃に対する抑止力を高めたい。災害時の自衛隊による被災者の救援が迅速に対応できる」とも語った。
これに対し下地市長は「市民の生命、財産をしっかりと守るというのは自治体の長の役目。そういう意味で宮古島の置かれた現状を考えた場合、理屈としては理解できる。市議会に伝え、どの方向が良いのか十分論議をしてもらいたい」と話した。
南西諸島防衛の強化は13年に閣議決定した中期防衛力整備計画(中期防)に基づく。14年6月には、当時の武田良太防衛副大臣が宮古島市を訪れ、下地市長に自衛隊配備に向けた候補地の現地調査に協力を求めた。