賛成、反対派が火花/陸自配備
平良庁舎前で主張衝突/副大臣来島で市民団体
「自衛隊はNO!、平和な島を」「配備歓迎、多方面に良い効果」-。11日、左藤章防衛副大臣が下地敏彦市長に陸上自衛隊配備計画の説明に訪れた市役所平良庁舎前では、配備に反対する市民団体と賛成する団体が「のぼり」や横断幕を広げ、互いの主張を繰り広げた。反対派は拡声器で同庁舎3階にある市長室に向け「自衛隊配備反対」のシュプレヒコールを行い、賛成派は多くの人員を動員し平良庁舎前を行き交うドライバーに自衛隊配備の必要性を
訴えた。
左藤副大臣は午前10時ごろに到着。自衛隊配備に反対する団体は面談する時間に合わせて集会を開き、陸上自衛隊配備に強い反対の姿勢を示した。
平和運動センター宮古島の下地朝夫議長は「配備による人口増加については一時的に過疎化に対する効果はあるかもしれないが抜本的な解決にはならない。過去の教訓からも、軍隊があるところは戦場になる。これから新たな組織を立ち上げて石垣や奄美大島とも連携した取り組みを展開したい」と話した。
宮古平和運動連絡協議会の清水早子共同代表は「大切なのものは『お金よりも命』であることを常に訴えていきたい。これから戦争になれば先島の人々が犠牲になる。これからも戦争を止めるための活動を展開していきたい」と決意を示した。
自衛隊配備促進協議会の野津武彦会長は「今回の配備で全体では1500人くらいの人口増加につながる。宮古は高齢者比率も上がっているので、その解消にもなる。今回の配備はメリットこそあれデメリットは全くない。自衛隊の配備は戦争を仕掛けるためではなくあくまで自国防衛のため。しかし、米軍の利用については違うと考えている」との見解を示した。
「下地島に自衛隊を誘致する住民の会」(伊志嶺朝令会長)の副会長で選挙でも自衛隊誘致を強く訴えてきた仲間賴信市議は「人口減少などの問題もあり、私たちは以前から自衛隊の必要性を訴えてきた。今回配備が決定してうれしく思う。本当は伊良部に配備された方がありがたいが、宮古全体の人口が増えることになるので歓迎している」と述べた。
朝から、多くの反対派と賛成派の市民団体が取り囲んだ平良庁舎。訪れた市民の中には驚いた様子でそれぞれの主張に聞き入る姿も見られた。