農漁業者、対策急ぐ/台風6号接近
葉タバコ等の被害懸念
台風6号の先島接近で農作物や水産物に与える影響が懸念される。特に、収穫が始まっている葉タバコの農家は危機感を募らせており、一部では熟し切っていない葉を早めに収穫するなどして被害の軽減に努めている。出荷前のマンゴーやモズクの生産者も台風対策に追われた。
露地で栽培する葉タバコは、2011年5月28日に襲来した台風2号で壊滅的な被害を受けた。今回の台風はその時期より早く接近する。全体収穫重量の半分以上がほ場に残されているものとみられ、台風の勢力にもよるが、直撃した場合の被害が懸念される。
城辺の農家は「ちょっと早いが、熟していなくても取れるものは収穫した」と話す。台風接近で25㍍以上の風が吹くと厳しいとの見方を示し、「畑の場所にもよるが、葉が飛ばされなくても傷が付き、塩害で枯れあがる可能性が大きい」と被害状況を予測。「あとは台風の勢力が弱まるよう祈るだけだ」と話した。
平良の農家も早めの収穫で対応。作業員は「とにかく取れるものは取れという指示で収穫している。熟してはいないが、飛ばされるよりはまし」と話した。
マンゴー農家は難しい対応を迫られた。平良の生産農家は「果実がぶつかって打撲しないように、果実にフルーツキャップをかけて対応している」と果実の保護に万全を期した。ハウス内にはネットを張って防風を施したとし、ビニールを巻き上げるかどうかについては「状況を見極めながら判断する」と話した。
モズクの生産者も気が気でない。台風が起こす波と風で養殖中のモズクが流されてしまう被害を懸念している。「5月の台風は、気圧が980ヘクトパスカルぐらいなのに今回の台風は勢力がなかなか落ちない」と不安げに話す。「このまま来たら流れ落ちて収穫できない可能性がある」と語った。